薬剤師が自分の給料を上げるたった5つのポイントと損をしない働き方 – 薬プレッソ

薬剤師が自分の給料を上げるたった5つのポイントと損をしない働き方

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1. 薬剤師の給料について

世間一般からは薬剤師は安定した人生が送れる、というイメージが持たれています。実際に薬剤師は売り手市場です。薬剤師の数が足りていないために需要が多いのです。
しかし待遇面では不満を持っていたり、理想の条件からは程遠いと感じている薬剤師も多くいます。休日や福利厚生などもですが、やはり気になるのは月々のお給料についてです。少し薬剤師の業界に詳しい人の中には「薬剤師の給料は高くない」と言う人もいます。これはどこまでが真実なのでしょうか。そして納得のいく給料をもらうにはどうすれば良いのでしょうか。まず始めに挙げる“5つのポイント”。これを意識するだけでも、給料アップにぐんとつながるはずです。

2. 給料を上げるための5つのポイント

2-1. 働き場所を考える

薬剤師は勤務場所で大きく収入アップができる職業です。一般的な職業で考えると都会は高く、地方は安いというのが定説です。ところが薬剤師の場合はこれが逆になります。
例えば東京と大阪で比べてみましょう。日本を代表する都市とはいえ、大阪は東京に比べれば規模がぐんと小さい都市になってしまいます。医療関係以外の某専門職種では、東京からのUターン就職で大阪の地元企業を紹介され、条件を見ると月収で10万円近くも低い所ばかりで目を疑った、という話も聞きます。ところが薬剤師となると月収で1万円以上大阪の方が高くなります。これが東京と名古屋だと、3万円近く名古屋の方が上になります。名古屋>大阪>東京という給料の順番は、ちょっと他の職種では考えられません。

さらに東北や中四国であれば10万円以上も月収で東京を上回る所もあります。これはレアなケースを挙げているのではありません。もちろん地方が必ず都市部よりも高いという訳ではありませんが、間違いなくその傾向はあります。これにはハッキリした理由があります。地方は薬剤師が著しく不足しているのです。需給バランスが取れていない所で働く、というのは給料アップの大きなポイントになります。
なお地方では住宅手当を全額出してくれる、引っ越し費用の全額負担などプラスアルファも多く聞かれます。住む場所にこだわりがある人は僻地ではなく地方都市にするという選択や、一定期間を収入重視で地方勤務にあてるという薬剤師もいます。

2-2. 働く先を考える

調剤薬局、ドラッグストア、病院、製薬会社、公共の施設等々、薬剤師の勤務先は大きくいくつかに分類されます。さらに最近では薬剤師の勤務も多様化してきているので、化粧品メーカーなど選択肢はさらに広がってきています。非常に大雑把な括りですが、各勤務先の給与面の特徴をあげていきましょう。

■製薬会社

職種により給与に幅があります。 企業ですからそれなり以上の規模となるため、給与も一定の水準になるのです。段々と条件が上がっていくというオーソドックスな企業形態ですから、最初はそれほどでなくても一定の時期からはかなりの額がもらえることもあるようです。

■ドラッグストア

製薬会社と同様で、大規模なチェーン展開をするなど体力がある所は条件も良いものを出して来ます。特に新卒採用の際には他から頭一つ抜け出たような給料の所もあるため、新人薬剤師はドラッグストアからキャリアをスタートさせるケースが多くあります。

■調剤薬局

勤務先として最も多い調剤薬局ですが、製薬会社やドラッグストアに給与面で劣るのは中小規模の所が多いからです。大手もありますが、相対的に少ないので平均で見れば少なく映ります。

■病院

経営規模が小さいため、給与も下がって来ます。但し国立の病院などは段々と給料が上がっていくため生涯賃金は多く得られます。

このように給料は勤務先の規模と関係してきます。また製薬会社やドラッグストアは給料が多い、というのは大手が引き上げているという面もあるため、給料重視であれば勤務先の種類とその規模をよく考えるのが良いでしょう。
また他のポイントとの組み合わせも給与アップには重要になってきます。例えば全国展開をしているドラッグストアの場合は、地方勤務であっても前項で挙げたような極端な差はあまり生まれません。逆に限られた地域のみで展開している調剤薬局の方が、破格の条件を付けてくる場合があります。調剤薬局は薬剤師をより多く確保する事で医薬品の取り扱いを増やす事ができ、収益に直結します。ですから条件を上げてでも、積極的に採用していきたいのです。

2-3. 働き方を考える

薬剤師はいろいろな働き方ができる職種です。派遣、パート、正社員。大きく分けるとこの三つになります。

■派遣

近年増加しているのが派遣薬剤師です。何年も仕事から離れていたという人は、かつて目にする事が少なかった派遣募集がいっきに増加しているのを見て驚く事になるかもしれません。
この派遣という働き方は、給料という面で見るととても魅力的な場合が多々あります。何故なら派遣で勤務する薬剤師の多くが現在時給3,000円前後で働いているからです。時給3,000円で1日8時間働けば24,000円の収入です。月の稼働を20日とすれば48万円、年収は600万円近くにもなるからです。この年収は正社員として一番の働き盛りの薬剤師が得る水準の、やや上の方です。調剤薬局やドラッグストアで30代後半から40代前半で600万円前後の年収を確保できていれば収入面についてはまずまずですが、派遣薬剤師の場合もそれが実現できてしまうのです。

さらに薬剤師不足の地域では時給4,000円以上という提示も珍しくありません。1日8時間で32,000円、月20日勤務で64万円、年収では700万円を大きく上回ります。これは正社員で勤務している人でも管理薬剤師、あるいはドラッグストアの店長といった立場にならないとなかなか得られない給料です。

もちろん派遣の場合はほとんどの場合で交通費が出ない、派遣先の福利厚生が受けられないといった金銭にも絡むデメリットがあります。期間雇用ですから仕事が保証されないといった不安ももちろんあります。しかしこうした部分を差し引いても金銭的なメリットは大きいと、派遣で働く薬剤師も増えてきています。

■パート

薬剤師は時短や週に数日、あるいは土日のみ勤務といった形で働く事も多く、もともとパート勤務が多かった職種です。このように薬剤師の働き方として定着しているパート・アルバイトですが、こちらは時給相場が2,000円前後と言われています。派遣と比べるとかなり見劣りする事は否めません。収入だけで選ぶなら、派遣会社から派遣薬剤師としての求人を探してもらう方が良いでしょう。それでも多くの薬剤師がパートでの働き方を選んでいるのは、ライフスタイルや家庭を優先するからです。派遣の場合は期間の定めがあっても、フルタイムや週5日勤務の条件が多くなります。

一方パートの場合は土日のみ勤務、午前のみなど勤務時間にかなり融通が効きます。これによりまだ子どもが小さい場合は幼稚園や保育園の送り迎えができます。子どもと一緒の時間も取りやすくなりますし、急な病気の時など早上がりしやすいなどもメリットです。

また家庭ではなく趣味を優先した生き方をしたい、それなりの収入で暮らしていける、仕事は社会との関わりを多少持つためなど、収入を優先しない働き方をしたい薬剤師に最も合うのもパート・アルバイト勤務と言えます。

■正社員

安定感があるのはやはり正規雇用されて働く薬剤師です。月収ベースだと派遣に劣る場合もままありますが、年収や給料をもとにした将来設計がしやすくなります。

こう見ていくと1カ月単位の給料としては派遣、生涯の安定も加味すると正社員、そして収入以上に暮らし方や家庭を大切にしたい人はパートという大きな括りができそうです。

2-4. 情報を得て、時流を読む

さてここからは給料を上げるための極意です。まずはきちんと「情報」を得ていくというのが大切です。その例をいくつか見ていきましょう。

■制度変更

薬剤師という職種は国の制度に大きく左右される性質を持っています。例えば登録販売者制度です。これが設けられた事で、薬剤師には逆風という声も多く聞かれました。ところがそこから10年も経たないうちに、今度は登録販売者制度廃止の話が持ち上がっています。当然薬剤師の今後へも影響して来るでしょう。

■インターネット

登録販売者制度の廃止には、インターネットでの医薬品販売が大きく関わっているとも言われます。これも薬剤師の今後に大きく関係する事です。もしかするとインターネットでの医薬品販売により、新しい薬剤師の働き方も生まれて来るかもしれません。

■業界動向

薬学部が四年から六年に移行した事による空白の二年間の特需は終わりましたが、今後の転職市場への影響も考えられます。例えば一般企業では景気悪化で止む無く新卒採用を行わなかった時期があり、景気が上向いて来た頃にその年代を中途採用で穴埋めするというのはよくある話です。たかが二年、されど二年です。薬剤師を取り巻く環境が現在どうなっているのかは、転職を意識する場合常に掴んでおく必要があります。

■新たな注目職種

企業勤めの薬剤師と言えば製薬会社、MRというのは定番のイメージですが、最近はこれ以外にも「CRO」「SMO」といった職種も注目され始めています。給料は非常に幅があるために一概には言えませんが、CROだとキャリアや勤続年数によっては 年収1,000万円を超えるという例も多くあり、MRと比べても見劣りしません。このように新たに台頭してきている職種もチェックしておくと、企業という枠に絞ってもより選択肢が増えてきます。

情報に関してはインターネットや新聞だけでなく、転職市場のまっただ中にいて、豊富な求人募集に携わる転職コーディネーターが最も多くの生の情報を知っていると見て良いでしょう。また情報を基に流れをよく見て、今が動くべきタイミングなのかどうかを見極めるのが、「時流を読む」という事です。タイミングを見誤ると転職して真っ青に・・・となり兼ねませんので、迷った時にアドバイスを得る人を確保しておくというのも大切です。

2-5. 自己研鑽する

薬剤師資格は強いですが、一生それだけに頼っていては仕事にあぶれないまでも、思った通りの収入は得られないかもしれません。管理薬剤師、ドラッグストアの店長、マネージャーなど職場内での目に見える地位を高めていくのも手ですし、研修認定薬剤師や専門薬剤師といった資格を取るのも良いでしょう。また国内から海外まで幅広いニュースに精通する、医薬品の最新事情を常にチェックするなど薬剤師の本質的なスキルを高めていくのも評価されるポイントです。

調剤薬局やドラッグストアといった実店舗展開は今も勢いがありますし、薬のネット販売も行きつ戻りつしながらも新たなステップに進み始めています。裏を返せばこれだけ競争が激化しているという事は、何かで差別化をしなければならないという事です。そんな中で注目が高まっているのが薬剤師のスキルです。登録販売者制度がそれほど薬剤師に逆風にならなかったのは、この制度によりかえって専門知識がある薬剤師でないとダメだ、とその価値が再認識されたからとも言われます。単純に考えても登録販売者が第1類医薬品を販売できる、調剤ができるという薬剤師という存在に取って替わる事はできませんので、一緒にいる事でその価値は一層ハッキリしたと言えます。だからこそ雇用者側はより有能な薬剤師に対してはさらなる好条件を提示する、という傾向も現れ始めています。派遣薬剤師の時給が高いのも、最もシビアにスキルを評価される働き方だからです。

 

ですから今後、仮に薬剤師の需要が減ってきても(自分なら高く評価してもらえる)というスキルを磨いておく事が大切です。

2-6. 給料アップのまとめ

締め括りとして、給料アップのチェックポイントをまとめておきましょう。ひとつひとつ、また組み合わせながら給料アップのためにどういう選択をすべきか、何を補えば良いかを考えてみましょう。

○勤務地(都市/地方都市/僻地等)
○勤務先(調剤薬局/ドラッグストア/病院/企業/公共施設等)
○勤務形態(正社員/派遣/パート)
○情報と時流を読む(新聞/インターネット/転職コーディネーター)
○スキルアップ(勤務先でのポジション/資格/知識)

3. 薬剤師の給与相場は?

3-1. 年齢別

ここからは補足として、今確認しておきたい給料アップのために必要な情報を書いていきます。まずは自分の給料が高いか安いかの目安になる給与相場についてです。正社員を年代別の月収で見ていきましょう。
もちろん経験や勤務先、勤務地域により大きく違ってきます。ここでは最も求人が多い調剤薬局、またはドラッグストアを都市部のモデルケースで見ていきましょう。
・20代 30万円前後
・30代 40万円前後
・40代 45万円前後
・50代 50万円前後
これにボーナスなどが加わるので、大体14か月分をかけたのが年収の目安となるでしょう。

3-2. 働き方別

給料を上げるためのポイントの所で見たように、派遣の場合は時給3,000円前後、パートの場合だと2,000円前後が相場になります。同じ基準で見るために正社員も時給換算で考えると、2,500円前後となるでしょう。少し安い気もしますが、これにボーナスなどが付いてきますし残業もありますので、毎月の実収入で考えると3,000円ほどが相場と言えるかもしれません。

3-3. キャリア別

年齢、働き方で給料の相場を見て来ましたが、これらが同じでも給与水準が大きく違う場合があります。それは個人個人のキャリアによるものです。例えば管理薬剤師の場合には4~5万円ほどの上乗せが毎月あります。ドラッグストアの店長も同じです。
また製薬会社など企業での勤務の場合は、同じ職種であっても給料に大きな開きが出て来ます。MRの平均年収は600万円台と言いますが、よく耳にするように1,000万円台に到達している人も大勢います。このあたりはそれまでにいかにキャリアアップを図っているか、今現在成果を出しているかが如実に反映されると言えるでしょう。

3-4. 転職や働き方で失敗しない

こうした相場観は単純に知識として覚えておいたり、ましてやこれより低いからと言って悲観するための情報ではありません。薬剤師は比較的転職回数が多い職種です。また派遣やパートといった非正規の働き方が好まれるのが特徴です。
いずれにしても給料はなるべく多いに越した事はありません。そんな時に相場観を分かっていれば、求人情報を見てそれを基準に給料が多いか少ないかを判断できるはずです。

4. 職場と給料

4-1. 現在の職場で上げる

給料を上げるのが最も困難な場所、それは現在の職場かもしれません。
調剤薬局、あるいはドラッグストアに新卒で入った時には月給30万円前後という事で他の職業に就いた同年代の中でも裕福な存在だったのが、だんだんと差が縮まってきます。「薬剤師の収入は最初は良いけど、最終的にはあまり貰えていない」と言われるように、昇給が頭打ちになって来ます。

これを打破するのは管理薬剤師や店長など職場内でのキャリアアップです。資格取得やコミュニケーションスキルを日常的に評価してもらえる環境ならば、それを目標に給与アップを狙っていくのも良いでしょう。企業勤務の場合は成果をどんどん出していく、という方法も取れます。

4-2. 転職で上げる

給料アップの最も有効な手段と言われるのが、転職です。一般企業ではまだ多少終身雇用の名残があるものの、転職率の高い薬剤師は職場が変わるのをキッカケに給料を上げるという方法を取ります。実際に薬剤師の転職理由で最も多いのは、現在の給料に不満があるからです。そのためには情報をきちんとキャッチしながら、失敗のない転職を行わなければなりません。もちろん自分自身が薬剤師としてその給与を貰える水準にある、というのは大前提になります。

4-3. 大胆なキャリアチェンジで上げる

転職と言えば調剤薬局から調剤薬局へ、あるいは臨床を多く経験したいという理由で調剤薬局から病院へといった形が多いですが、薬剤師資格を生かしながらもっと大胆なキャリアチェンジを目指す人もいます。
代表例は調剤、ドラッグストア、病院から企業への転職です。MR、CRAなど収入アップも見込める職種への転職は人気ですが、これ以外にも営業や品質管理と言った職種へとキャリアを変えていく人もいます。MRなどのイメージに引っ張られて企業は高収入と思うかもしれませんが、職種や企業規模によってはそうは言いきれませんので、条件面は応募前にきちんと確認するのが必須です。

5. 働き方で損をしないポイント

5-1. 所得税の基本

さて最後に、収入は同じでも引かれるお金を少なくする事で手取り額を上げる方法を紹介していきます。引かれるものとしては所得税があります。年収103万円を超えた場合に支払います。毎月の給与から一定額を引かれていく場合もありますが、1月1日から12月31日までの給与の合計が103万円内に収まっていれば、払いすぎた分が年末調整または確定申告で返って来ます。なお税金には他に住民税もあり、そちらは100万円がボーダーラインになります。

5-2. 社会保険の基本

もう一つ引かれるものが、社会保険です。この基準は年収130万円以上となります。それを下回る場合は扶養家族とみなされます。ただし社会保険の場合は加入する健康保険組合により基準が違う事があるので、この点は注意しておきましょう。また自身の毎週の勤務時間により加入資格が生じる場合があります。

5-3. パート、アルバイトで損をしないためには

正社員であれば税金や社会保険は天引きされて当然でしょうが、パート、アルバイトの場合はこれらが発生しないように調整しながら働いている人が多くいます。薬剤師は一般の職種に比べ時給が高いので皆超えてしまうのでは? と思われるかもしれませんが、時給は高くても土日のみ数時間しか勤務しないなどであれば、十分に対象になります。

例えば時給1,800円で土日に5時間ずつ働けば毎週18,000円、月では大よそ72,000円、年収では864,000円となり、税金も社会保険料の負担もありません。ところが条件を交渉して時給を2,300円にしたら、年収が103万円を超えかえって税金を引かれてしまうようになってしまいます。

家庭を第一に考えながら、給料にもこだわった働き方をしたい方はこのあたりも考慮に入れるようにしたいものです。けれどもこうした細かな計算は面倒なものです。また勤務先にこの条件交渉をしておく必要もあるかもしれません。そんな煩わしい調整をするのも、転職コーディネーターの役割です。自分の条件を予め伝え、それに合いそうな求人をピックアップしてもらい細かな調整はお任せでも良いでしょう。

また悩ましい事に、パートの働き方に関わる国の法改正の動きが活発です。実際に社会保険の130万円は2016年10月からは106万円という新たな基準になります。こうした制度変更をいちいちチェックする事の煩わしさを減らすためにも、転職コーディネーターを上手に活用したいものです。

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