あなたのキャリアと生き方で考える。薬剤師のベストな転職

- 1. 薬剤師の転職について
- 2. 薬剤師のベーシックなキャリアプラン
- 2-1.新卒で多い就職先
- 2-2.転職を考え始める時期
- 2-3.結婚、出産での働き方の変化
- 2-4.定年後も現役、という働き方
- 2-5.長く続ける、のんびり構えるという薬剤師の特色
- 3. 実はこんな事が。薬剤師の転職の本音
- 3-1.1回2回は当たり前。薬剤師の転職回数
- 3-2.薬剤師の転職理由。多いのは実はこれ
- 3-3.経験者の声から探る、転職の理想と現実
- 4. 転職時に気になるあれこれ
- 4-1.やっぱり気になるのは年齢?
- 4-2.女性と男性で出る違い
- 4-3.給与や待遇はズバリ、どうなる?
- 4-4.働き方はどれぐらい選べる?
- 4-5.身に着けておくと有利なスキルや資格
- 5. 転職先にはどんな所があるの?
- 5-1.人気の転職先と、求人数が多い転職先
- 5-2.こんな働き方や求人も
- 5-3.転職したい、という気持ちを整理して次へ
- 6. 薬剤師の転職先の探し方
- 6-1.大きく分けると4つの探し方
- 6-2.こんな失敗例も
- 6-3.求人探しで押さえておきたいポイント
- 6-4.とりあえずアンテナを張っておく、という方法
1.薬剤師の転職について

「薬剤師は仕事に困らない」。こうした言葉を耳にした方も多いでしょう。実際、長く買い手市場が続く一般の就職や転職に比べれば、薬剤師は遥かに恵まれた境遇にあると言えます。けれども自分の希望に沿った、あるいは理想を叶える就職・転職ができるかと言うと、必ずしもそうではありません。
まずは時代の変化があります。現在の中高年以上の世代であれば想像できなかったほどドラッグストアが多くなりました。薬事法の改正が業態にも多く影響を与えます。また若い世代からは6年制課程の新薬剤師国家試験となっていて、資格そのものが変わってきています。こうした大きな変化はもちろん、その時期の求人の数や質なども見極めながら仕事を探す事で、同じ人材でも異なるキャリアを歩む事になります。それだけ情報を正しく、タイミング良く取得する事は重要なのです。
また薬剤師の多くが人生において何度かの転職を経験しています。その一つ一つが薬剤師としてのキャリア形成に関わってきますので、将来を見据えた転職を行う事が後々まで影響を与えていきます。それは人生における仕事の位置づけも同じで、特に女性が多い薬剤師であれば結婚、出産、育児といったもの抜きに転職を考える事はできないという場合も多々あります。
ここを訪れた薬剤師の方の多くが理想の転職をできるよう、役に立つ知識を実際の転職者の本音も交えながら紹介していきたいと思います。
2.薬剤師のベーシックなキャリアプラン
2-1.新卒で多い就職先
社会人としてのスタートを切る最初の就職先。その代表的なものとして
「調剤薬局」
「ドラッグストア」
「病院、診療所」
「製薬会社」
が挙げられます。
この中で数が多いものと言えば調剤薬局とドラッグストアになります。多くの新卒者がここで実際の薬剤師としてのキャリアをスタートさせています。
一方希望という面で見ると、病院も人気と言いますがやはり生涯賃金が飛び抜けて高いという事もあり、製薬会社は応募が殺到するようです。
新卒で特徴的なのが、大手でそのキャリアをスタートさせる薬剤師が多いという事でしょう。大手は研修や教育がしっかりしているという事がメリットです。いくら国家資格を取得したとはいえ、新卒の薬剤師はまだ卵からかえったヒナの状態です。実際の現場を経験しながら、なおかつ学問とは違う業務のための学びをする事で、薬剤師として生きていくためのしっかりとした足腰が養われていくのです。
2-2.転職を考え始める時期
けれども反面、大手にはデメリットもあります。規則が厳しいと窮屈に感じる人も少なくありません。軍隊的、と例える人もいるようです。また一般企業と同じく、大手では違う薬局への異動がつきものです。勤務先が変わるのは必ずしもマイナスではありませんが、環境の変化を嫌う薬剤師も多いようです。
こうした事から新卒時から慣れ親しんできた仕事を転職、と考える薬剤師は大勢います。またさらなるやりがいを求めて、あるいはステップアップのために転職を考える方ももちろん多く存在します。年収アップという、より現実的な目標を目指しての転職もあります。人間関係の悩みや業務内容などへの不満で、環境を変えるしかないという決断をする場合もあります。いずれにしても就職から数年後、仕事にも十分慣れた頃に何らかの転機が訪れて来ます。
2-3.結婚、出産での働き方の変化

薬剤師は女性が非常に多い職種です。6年制課程への変更でこのバランスに変化が見られるのでは? という声もありましたが、今のところ大きく変わってはいないようです。
人生には生活を一変させる変化が幾度となくやって来ます。結婚はその大きなものです。また女性の場合、出産の際は仕事に何らかの影響が出てきます。その後の育児は環境や家族構成により一概には言えませんが、しばらくの間育児に専念する、あるいは子どもを中心にした生活を送る場合も多くなります。
近年はライフスタイルの変化=仕事を辞める、という事ばかりではなく、休職や復帰後に勤務形態を変えて活躍する薬剤師も大勢います。またここで一旦それまでの仕事を辞め、子育てなどがある程度落ち着いてからゆっくりと新たな職場を探すという事ができるのも、有資格者の強みです。
2-4.定年後も現役、という働き方
ここでいっきに時間を超え、高齢になった後の人生についても少し見ていきましょう。
今や日本は突出した高齢化社会ですので、他の分野でもニュースになる事が多くなっていますが、定年後の再就職を希望する薬剤師も多くなっています。
有資格者という事で有利な面はあるものの、やはり現役世代の転職に比べれば狭き門になる事は否めません。また年齢相応の待遇や給与などを主張すると、敬遠される場合が多いようです。またほとんどの場合は年下の現役世代と一緒になって働く事になります。その際に謙虚にコミュニケーションが取れるかどうかが再就職できるかどうかの分かれ目、という声はよく聞かれます。定年後も働き続けたいという希望がある場合は、これらに気をつけながら長く働いていける人生を実現させましょう。
2-5.長く続ける、のんびり構えるという薬剤師の特色
有資格者である薬剤師は、焦らずじっくり探すというスタイルを取る事が多いようです。それは出産や育児などで一旦仕事を離れて復帰する時、またキャリアを変えようとする時も同じで、「条件に合う求人」や「希望に近いもの」があれば考えるというスタンスを取る人が多くいます。何事もそうですが、焦って物事を行おうとすると、失敗してしまいがちです。有利な立場を取れる薬剤師の求職者は、必要な時に動ける準備と情報をスムーズに得る事ができる術を普段から用意しておくと良いでしょう。
3.実はこんな事が。薬剤師の転職の本音
3-1.1回2回は当たり前。薬剤師の転職回数
薬剤師の多くが転職を経験していると言いますが、実際どれぐらいの回数転職をしているのでしょう。1回、あるいは2回の転職を経験している人はかなりの数になるようです。ただし3回以上の転職も多いのは、薬剤師の特筆すべき転職事情と言えるでしょう。
終身雇用は崩れたと言いますが、日本の一般の雇用の現場では3回以上の転職となると顔をしかめられるのもしばしばです。それに比べれば薬剤師は転職回数の多さで一概に不利になる、といった事は少なそうです。
3-2.薬剤師の転職理由。多いのはこの3つ
さて実際に薬剤師が転職を考える時、その理由で多いものを具体的に考えていきましょう。
やはり一番多い「給与・年収」
「給与、年収」というのが実は一番多いと言われています。
やはり現実的だな、という印象を持ってしまいますが、これについてはよく考えないといけません。
働く以上、お金や待遇といったものは必ずついて回ります。
やりたい事があり、理想に燃えていても給料は新卒以下しか出せません、という事であればほとんどの人が辞退するはずです。給与+○○、の○○部分が薬剤師それぞれの転職理由になるでしょう。
「仕事内容」
これはさらに細分化されて現在の仕事内容が不満だからというのもあれば、キャリアアップのためにもっと高いレベルで仕事をしたいという場合も多いはずです。薬局から製薬会社、あるいはその逆といったキャリアをガラリと変える転職もあります。給与との組み合わせはまさに“夢と現実”を合わせた、大人の転職理由と言えるでしょう。
「通勤時間や勤務場所」
他にも通勤時間や勤務場所といった声も目立ちますが、これらは自分の意思によらず異動となる事が多い大手からの転職時に多く聞かれる声かもしれません。また子育てをしながら働く薬剤師にとっても、通勤時間はかなりのこだわり条件となるようです。
3-3.経験者の声から探る、転職の理想と現実
理想と現実と言うと「そう甘くない」という声が聞こえてくるのが常ですが、薬剤師の転職では考えていたよりもずっといい条件で転職に成功できている例も数多くあります。
「育児を中心に考えて、希望通りのパート勤務になりました」。これは多くの人が思い描くパターンでしょう。しかし「パートで考えていましたが、正社員で休みが取りやすい所に再就職できました」、あるいは長年パートで働いてきて育児明けもまたパートで求人探しを・・・と思っていたら「思いがけず正社員で採用」といった事例も。このあたりは型にはまらず、幅広く探していく事で思いがけないキャリアチェンジができる事も多いようです。
また子育て以外に、自分の趣味を大事にしての転職という事例もあります。週4日程度の勤務にする事で、通常の休日に加え趣味に没頭できる日をつくり毎日を生き生き過ごすという女性の姿も。こうした自分重視の働き方も探ってみると良さそうです。
4.転職時に気になるあれこれ
4-1.やっぱり気になるのは年齢?
転職には期待、そして不安が両天秤にかかったような精神状態です。特に不安に拍車をかけるものの一つが年齢でしょう。薬剤師は比較的短い間隔で転職している例が多く見られますので、20代で最初の転職を考え始めても決して早くはないでしょう。一般でも20代後半で転職を考える人は多く、制度改定で少し社会に出るのが遅くなった薬剤師にとっては、周囲よりむしろ遅い年齢で転職を考える事になるかもしれません。
この20代から30代半ばの転職は、リスクはほとんど無いと考えて良いでしょう。ただ伝え方を間違ってしまうと“定着してもらえない”という印象を持たれ失敗する可能性もあるようなので、その点だけはご用心を。30代後半から40代になってくるとハードルが上がってしまいます。特に男性の場合は40歳を超えるとよほどのキャリアか資格が無ければ難しいとも言われます。逆に女性の場合はいったん家庭に入ってからの復職といったケースも多いので、思いのほか30代後半から40代前半あたりがボリュームゾーンになっているとも言われています。
4-2.女性薬剤師と男性薬剤師で出る違い
年齢の所でも書いたように、女性と男性では年齢を重ねるごとに転職の事情が変わってきます。男性の場合だと40歳以上になると雇用する側が待遇などを考慮しますので、一層ハードルが上がってくるのです。基本的にはパートやアルバイトでの勤務も望まないはずですので、求人数も少なくなってきます。
実際問題として、男性薬剤師側も「給料アップ」「キャリアアップ」などの希望を持つ事が多いようです。一方女性薬剤師は異動がない事や子育てをしながら働けるなどを条件に考えますので、求職者側のニーズも女性と男性でくっきりと分かれてきます。
4-3.給与や待遇はズバリ、どうなる?
さて気になる転職時の条件面、特に給与に関してですがこちらは転職時のキャリアや年齢も大きく関わるので一概には言えません。そこで職種と勤務先をもとにその違いを見ていきましょう。
製薬会社
製薬会社ではMRに就くケースが比較的多くあります。条件面だけで考えると会社規模により大きく給与水準が変わってきますので、注意が必要です。また平たく言えば営業職ですので、人と喋るのはちょっと・・・という方はそのあたりをよく考慮した方が良いでしょう。
製薬会社では研究職への転職という道もあります。条件は破格ですが、大学院卒に加え一旦社会に出てからの転職では、それまでの実績や研究成果などが厳しく見られる高難度の職種です。
調剤薬局とドラッグストア
ボリュームがある調剤薬局とドラッグストアですが、こちらは管理薬剤師、あるいはドラッグストアの店長となる事で大きな収入アップが見込めそうです。またこの両者を比較するとドラッグストアは大手が経営している場合が多いため、福利厚生面では有利な所が多いようです。一方調剤薬局は勤務時間を短くしたり勤務日を限定するなど、ワークスタイルを比較的相談しやすいようです。
薬剤師の不足している地域の調剤薬局
狙い目として挙げられるのが薬剤師の不足している地域の調剤薬局で、こうした所だとかなりの高収入を得られるという声も挙がってきています。都市部はやや薬剤師過多という意見もありますので、郊外などでの勤務を希望する人は有利な情報として覚えておくと良いでしょう。
4-4.働き方はどれぐらい選べる?
薬剤師の働き方について、ここで整理しておきましょう。大きく分けると次の3つになります。
・正社員
・パート、アルバイト
・派遣(紹介予定派遣)
さらにこれを大きく分けると正社員=正規雇用、パート、アルバイト+派遣(紹介予定派遣)=非正規雇用という棲み分けになります。かつて薬剤師は正社員がほとんどという時代もあったようですが、現在は非正規雇用の割合もかなり多くなっています。
ただし子育てなどを優先して非正規の方が融通が利くという面もあり、決してニュースなどで流れるように非正規はネガティブな働き方ではない事は覚えておきたいものです。
また薬剤師の場合は正社員であっても週4日、3日、あるいは時間が短めの勤務形態もありますので、自分に合った働き方は雇用形態に関わらずいろいろありそうです。
4-5.薬剤師が身に着けておくと有利なスキルや資格
ドラッグストアはもちろん、調剤薬局でも接客は非常に大切なスキルとなっています。これは新卒で大手に就職する事により研修等でも学んでいけますから、こうしたキャリアを進んでいると後々大きな財産になるでしょう。なおこれは文科省の「薬学教育モデル・コアカリキュラム」の中に「患者様・生活者本位の視点」「コミュニケーション能力」などが入っている事からも、不可欠なスキルである事は明らかです。男性で年齢が高めになってきてからの転職では、これに「マネジメント」のスキルも加えておく必要があるでしょう。特に40代以上である程度の待遇を求めての転職では、必須と考えて良さそうです。
また転職の際には資格も有利に働きます。「認定薬剤師」や「専門薬剤師」の資格は、知識が信頼の強い証となる薬剤師にとって、ぜひ前向きに取得しておきたいものです。また製薬会社へのキャリアチェンジを目指す場合には、「産業カウンセラー」などの取得が可能性を広げる場合もあります。
5.転職先にはどんな所があるの?
5-1.人気の転職先と、求人数が多い転職先
転職先については年齢やそれまでのキャリアなどで希望するものが変わってきますが、総じて人気が高いのが製薬会社だと言われます。研究職という狭き門を別にすればMRでの転職を希望する事が多いようです。この場合は給与や待遇といった条件面に強くひかれるようです。やりがいといった部分を重視すると、病院に人気が集まるようです。実際に患者や医療のそばという“現場”で仕事に向き合う事ができる、貴重な勤務先と見られているようです。
では実際の転職先として多いのはどこでしょうか。それは薬局になります。調剤薬局とドラッグストア、これらを合わせた薬局の数は製薬会社を圧倒的に上回り、病院も大きく上回っています。数で言えば薬剤師の半分以上が薬局での勤務となります。ですから自ずと求人数が多く実際に転職する先は薬局、中でも数が多い調剤薬局となるのです。
5-2.こんな働き方や求人も
働き方の可能性を広げる例として、少し変わった勤務先も紹介しておきましょう。
現在注目が高まってきているものに「CRO」「SMO」というものがあります。いずれも新薬の開発に関わるもので、前者が製薬メーカーを、後者が医療機関をサポートする立場になります。
また行政関係、具体的には保健所や公的な研究所、自衛隊や警察関係での勤務もあります。最近は新卒で保健所を希望する人も増えているようです。公務員になりますので、もちろん公務員試験の受験が必要になります。
また薬剤師もグローバル化、という訳ではありませんが海外に出ていく薬剤師もいます。この場合、語学はもちろん、違う国に行く訳ですから日本の薬剤師資格がそのまま適用される訳では無いという事を考え、きちんと準備をして海を渡る必要があります。
5-3.転職したい、という気持ちを整理して次へ
さて薬剤師といえば理知的で冷静、というイメージもありますが、人間ですから性格は人それぞれです。ポジティブな理由であれネガティブな理由であれ、「転職したい」と思えば普段とは違う精神状態になるのは当たり前です。中には気が焦ってしまう場合もあるかもしれませんが、そんな時こそクールダウンが大切です。
転職はタイミングにも大きく左右されます。同じスキルやキャリアであっても、これが違う事で大きく明暗が分かれてしまう、という場合も少なくありません。まずは「自分自身の情報」の整理をしましょう。これまでのキャリア、そして転職しようと思った理由などです。加えて求人の動きなど、「外の情報収集」に気を配るようにしましょう。薬剤師にはふだんからこうした準備をしながら、「良い所があれば、転職・就職したい」とゆったり構えている人たちが大勢います。そしてこうした人たちが良い転職を実現させている例が多くあります。
6.薬剤師の転職先の探し方
6-1.大きく分けると4つの探し方
薬剤師の求人の探し方は、大きく4つに分けられます。
インターネットを使い、自分で探す
まずはインターネットを使い、自分で探す方法です。薬剤師はパソコンを打ち慣れた人が多かったせいか、インターネットを利用しての求人検索は比較的早くから普及していました。今はスマートファンもあるので、いつでも探しやすくなっています。
ハローワークで探す
ハローワークで探すという方法もあります。少し意外な気もしますが、ローカルな求人情報が出ている事も多いようです。地域を重視して探す場合には、そのエリアの薬剤師会に問い合わせをしてみるのも良いでしょう。
卒業した大学の求人
また卒業した大学に来ている求人の応募も可能です。
卒業から時間が経っている場合は利用しにくいかもしれませんが、生きた情報が専門の窓口に入るという事で、チェックするメリットは大きいと言えます。
紹介会社の利用
最後に紹介会社の利用です。コンサルタントにきちんと条件を伝える事により、膨大な情報の中から自分に最適な求人を案内してもらえます。単なる情報だけでなく、コンサルタントから職場の雰囲気や採用傾向などを事前に得る事もしばしば。また多くの紹介会社が「非公開求人」を持っているのも大きなメリットと言えます。
6-2.こんな失敗例も
インターネットを使い自分で探すという方法のデメリットを挙げれば、「情報が多くなりすぎる」という事が挙げられます。求人情報は多いに越した事がないのでは、と思うかもしれませんが、それが洪水のようになってしまっては流されてしまうだけです。またインターネットのデメリットの一つに、「記載されていない情報についてはわからない」というものがあります。例えばあともう少し給料が高ければ、勤務時間が短ければなど惜しい条件の相違についてです。意外とこれらは変更可能なものがあり、ネットの文字情報からだけではそれは読み取れないのです。
また全体の相場観や求人の傾向といったものも、個々の情報を検索するだけでは知り得ません。転職先探しの失敗は、情報の量ではなく質に問題がある場合が少なくないのです。
6-3.求人探しで押さえておきたいポイント
転職先探しで押さえておくべきなのは、もちろん条件面です。給与、勤務場所、勤務時間、福利厚生、勤務日など。やりがいを重視してこのチェックをおろそかにしていると、後から「しまった。」と後悔してしまう事になるかもしれません。求人情報に書かれた内容については、丁寧にチェックしておきましょう。
さて求人探しから少し飛んで、実際の面接や顔合わせといった時も職場の雰囲気などはしっかり確認するようにしましょう。面接ではこちらもチェックしている、という意識を持つ事が大切です。調剤薬局や病院の場合は、なるべく設備などもしっかりと見ておきたいものです。面接場所と実際の勤務先が異なる場合は、このあたりについてもしっかり質問しておくと良いでしょう。
6-4.とりあえずアンテナを張っておく、という方は

インターネットを使い自分で数多くの情報が手に入る昨今ですが、紹介会社を利用するというのは今も変わらず非常に有効な手段です。インターネットの求人情報は、実は紹介会社からのものが多いのです。数多くの情報の中から自分に合うものを見つけてくれるエージェントとして使うと良いでしょう。仕事をしながら、あるいは子育てや家庭のやり繰りをしながら仕事を探す薬剤師にとって、効率的な転職活動を行えるというのはとても重要なポイントなのです。また募集する調剤薬局などにとっても、初めから条件のミスマッチが無く人材を探せますので、使い勝手が良く紹介会社にだけ求人をお願いするという場合もあるのです。
求職者がお金を払う訳ではないので、金銭的なデメリットは発生しません。また登録してすぐに転職を、という訳でもありません。紹介会社によっては急ぎの転職を優先的にサポートする場合もありますが、登録をしておいて条件に合う求人が出た時に紹介、といった具合に転職希望者のニーズに合わせたサポートを行う所も多くあります。
とりあえず登録して業界情報をキャッチアップしながら、興味のある求人情報が出て来た際に問い合わせをしてみるという、自分本位の使い方も良いでしょう。