パート薬剤師が扶養内で働ける金額は?損をしない働き方を解説! – 薬プレッソ

パート薬剤師が扶養内で働ける金額は?損をしない働き方を解説!

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薬剤師の方がパートで働く時に考えなければならないのが、配偶者の扶養内で働くか扶養から出て働くかといった働き方の問題です。

扶養控除を深く理解することで、パートの薬剤師として損をすることなく賢く稼ぐことができるようになります。

女性の多い薬剤師の世界。結婚や出産、育児といった人生のターニング・ポイントで、正社員からパート勤務への切り替えを考えている方もいるはずです。

パートに切り替えた時に、年収103万円以内で働くと、お得だということをなんとなく知っている方もいるでしょう。ですが、扶養制度について詳しく知らないという方がほとんどではないでしょうか。

初めてパートとして働く上で、扶養内で働くことについて詳しく知りたいと思っていても身近に相談できるような相手ってなかなか見つけられないですよね。そんな時はどうしたらいいのか分からず戸惑うものです。

この記事では扶養内か扶養外かで悩むパート薬剤師さんのために、年収によって変わる扶養控除について詳しく紹介していきます。

なお、分かりやすくするために便宜上、夫が一家の稼ぎ頭として「扶養者」となり妻が「被扶養者(扶養される者)」であると仮定して話を進めます。家庭によっては妻が稼ぎ頭の場合もあります。ですが男女の立場が変わっても、同じように考えても差支えありません。

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1. パートで働く際に知っておくべき税金の控除制度の基本

もし「結婚、出産後は仕事と家庭を両立させるために扶養内で働きたい」と考えているのであれば、まずはどのような控除が存在するのか知っておく必要があります。

扶養控除の仕組みをよく理解していないと、知らない間に手取りの給与が減少していたということになりかねません。知識を深めて、損しないようにしたいですね。

パートで働く際の控除制度には、どのようなものがあるのでしょうか。

1-1. 扶養控除とは

扶養控除とは、納税義務者が確定申告時に申請できる控除の一種です。納税義務者本人に扶養している家族、親族がいる場合、一定の条件を満たしていれば「扶養控除」が適用されます。

扶養控除の適用を受けられる扶養親族の条件は、以下のようになります。申告する年の12月31日の時点で扶養親族が条件をすべて満たしていれば、扶養控除を受けることが出来ます。(国税庁HPより)
・納税義務者本人と生計を一にしていること
・給与やパート収入の場合、年間の所得の合計が103万円以下であること(年間の合計所得金額が38万円以下であること)
・16歳以上であること
・他の親族の扶養親族になっていないこと
・個人事業主の場合、専従者になっていないこと

なお、納税義務者の配偶者の場合は、扶養控除ではなく、「配偶者控除」が適用になります。

1-2. 配偶者控除とは

配偶者控除とは、納税者である扶養者(夫)に所得税法上の控除対象になる配偶者(妻)がいる場合に、一定の金額の所得控除が受けられることを言います。

控除対象配偶者としてみなされるには、その年の12月31日の時点で、以下の要件をすべて満たさなければなりません。(国税庁HPより)
・民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)
・納税者と生計を一にしていること
・年間の給与収入が103万円以下であること(年間の合計所得金額が38万円以下であること)
・青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと

配偶者控除額は、控除対象配偶者の年齢により変わります。一般の控除対象配偶者は、38万円、その年の12月31日の時点で70歳以上の配偶者は老人控除対象配偶者となり、その額は48万円となります。

そして、もし配偶者が障害者である場合は、配偶者控除の他に障害者控除27万円、特別障害者では40万円、同居特別障害者では75万円が控除できます。

1-3. 配偶者特別控除とは

次に配偶者特別控除について紹介します。

配偶者に103万円を超える所得があり配偶者控除の適用が受けられない人でも、配偶者の所得金額に応じて一定の金額の所得控除が受けられる場合があります。これを配偶者特別控除といいます。(国税庁HPより)

配偶者特別控除を受けるには、以下の要件をすべて満たしていなければなりません。
・控除を受ける人のその年における合計所得金額が1千万円以下であること
・配偶者が、次の5つの全てに当てはまること
1.民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)
2.控除を受ける人と生計を一にしていること
3.その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと
4.ほかの人の扶養親族となっていないこと
5.年間の合計所得金額が38万円超76万円未満であること

配偶者特別控除の控除額は配偶者の合計所得金額に応じて決まり、最高で38万円です。詳しい配偶者特別控除の額は以下のようになります。

 

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配偶者特別控除の対象になりそうな方は配偶者の合計所得金額を一度計算してみてください。

2. いくらまで働けるのか?

扶養者控除、配偶者控除、配偶者特別控除などが受けられる範囲で働きたいと考えている方は、扶養内で働くことのできる金額を知っておく必要があります。

年収と税金、社会保険の支払いの関係をしっかりと把握し、「以前よりたくさん働いたのに手取りが減ってしまった」ということにならないようにしましょう。

また被扶養者(妻)の年収によって妻の住民税、所得税、社会保険の支払いが生じるかどうかだけでなく、扶養者(夫)の支払う所得税の額も変わります。詳しくみてみましょう。

2-1. 100万円まで

今記事のテーマである扶養制度とは直接関係はありませんが、納税額を考慮して働くうえで、最初のポイントになるのが、住民税支払いの条件に考慮していない100万円です。

しかし被扶養者である妻が住民税、所得税、社会保険(厚生年金、健康保険料)を支払う必要がない金額なのです。
年収100万円未満は、被保険者が社会保険料や税金を全く支払わなくて済むだけでなく、扶養者(夫)の所得税も控除されます。

2-2. 103万円まで

年収100万円未満の次にポイントとなる年収は、103万円です。

妻の年収が103万円以内であれば、支払う所得税は0円となります。

なぜ妻の年収が103万円以内であれば所得税が0円になるのかを理解するため、ここで所得税の算出方法を説明いたします。

所得税を算出する時、すべての納税者から無条件に課税対象から控除される基礎控除というものがあります。まずは基礎控除として年収から38万円が差し引かれ、さらに自営業の人以外のすべての人において給与所得控除として一定の金額が差し引かれます。この給与所得控除は年収に応じて決まり、その最低金額が65万円です。

基礎控除38万円と給与所得控除の最低金額である65万円の合計金額が103万円です。妻の年収が103万円以下であればこの二つの控除額の合計を下回ることとなり、収入が0円と同じ扱いになります。そのため、支払う所得税は0円なのです。

さらに妻の収入は扶養者(夫)の所得税にも関係があります。妻の年収が103万円以下だと扶養者(夫)の所得税の算出の際、配偶者控除として38万円が控除されます。

このように妻の年収が103万円以下かそれ以上かで、世帯収入に大きな違いが出ます。

2-3. 130万円まで

次にポイントとなるのが年収130万円です。

年収130万円以下であれば、扶養者(夫)の被扶養者として社会保険(厚生年金・健康保険料)の支払い義務が免除されます。

ここでも妻の収入は夫の所得税に影響します。妻の年収が103万円を超えると、扶養者(夫)は配偶者控除の対象から外れます。103万円以上141万円未満では配偶者当別控除によって所得税が減額になります。

ただし、配偶者当別控除は、扶養者(夫)のその年の合計所得金額が1,000万円を超える時は適用の対象外となります。

2-4. 141万円まで

最後にポイントとなる年収は141万円です。

妻の年収が103万円以上141万円未満である場合に適用される配偶者特別手当ですが、妻の年収が103万円を超えるケースでは、5万円超えるごとに段階的に控除額が減っていきます。

そして妻の年収が141万円を超えるのを境に、扶養者(夫)の配偶者特別控除の対象外となります。すなわち、税金・社会保険の免除が全くされなくなるのです。

2-5. 扶養外で働くなら160万円から

妻の年間の給与収入が130万円を超えると社会保険料の支払いが発生します。これにより、税負担や社会保険料を加味すると年収130万円以下の収入の人よりも手取りの給与が減ってしまうという逆転現象が起こることがあります。
そのようなケースは年収130万円~160万円の間で起こります。

逆に考えると、年収が160万円以上稼ぐようになれば、税金や社会保険料を引かれたとしても割に合う手取りの給与がもらえるようになるというわけです。

2-6. 新しい条件になる、106万円まで

2016年10月より、パートで働く人の社会保険の適用条件が変更されることをご存じでしょうか。

これまでの法律では、扶養者(夫)の扶養から外れて社会保険を支払わなければならない年収は、130万円以上でした。ですが2016年10月以降は法律が見直され、社会保険の適用が拡大されます。

2016年10月より以下のすべての条件に該当する場合、社会保険の支払い義務が発生します。
・週20時間以上勤務すること
・月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)であること
・勤務期間は1年以上の見込みであること
・学生は対象外
・従業員501人以上の企業に勤務していること

このように2016年10月からは年収106万円も新たな条件となりますので、覚えおくといいでしょう。

3. 扶養内で損せず稼ぐためには?

薬剤師は他の職種と比べて時給が高いことが多く、その結果、給与が高額となり、扶養の範囲内で働くことが難しい場合があります。ですが、年収103万円の扶養内ギリギリである方は、できるだけ損をせず賢く働きたいですよね。

ここからは、パートの薬剤師が扶養内で損をせずに働く方法に焦点をあてていきます。働き損にならないためには、どのような対策が考えられるでしょうか?

3-1. 自分の年収計画を立てる

損をしないために大切なのは、働き方をきちんと考え、あらかじめ年収の計画を立てておくことです。

年収103万円未満を狙う人なら、単純に計算すると月収が85,833円未満であればいいわけです。しかしながら急に仕事が増えて思わぬ残業を頼まれたり、祝日や連休を考慮するのを忘れて月間の勤務時間が増えてしまったりして、予定通りに進まないこともあります。想像するほど単純にはいかない場合が多いので、103万円を超えてしまわないように自分の年収計画を立て、しっかりと計算するようにしましょう。

3-2. 扶養内で働ける職場を探す

パートの薬剤師が扶養内で働きたいと思うのであれば、理解ある職場探しが不可欠です。

扶養内で働くことに理解のない職場では103万円を超えそうでも残業を断りづらかったり、退社時間になっても薬歴がたまっていて帰れなかったりすることがあるかもしれません。そんなことが頻繁に起こる職場環境では、年収を扶養内に納めることは難しいでしょう。

勤務先によっては、うまく103万円以内で収まるようにシフトを調整するなど対策を講じてくれるところもあるので一度相談してみてもいいでしょう。現在の職場では難しい場合は、扶養内で働ける職場を探すため転職も視野に入れる必要があります。

求人に扶養内で働ける職場であることが記載されていることがあります。また同じように扶養内で働く共働きや子育て中の薬剤師が活躍する職場なら、周囲の協力も得やすい職場環境だといえるので、おすすめです。

3-3. 応募先の職場にあらかじめ話をしておく

扶養内で働く目的を持ってパート先を探すケースでは、面接時に扶養内で働きたい旨をあらかじめ説明しておくべきです。午前だけ働きたいなどシフトの希望が通りやすいかどうか見極めることが扶養内で働くためのポイントです。

理解してもらった上で入社を決定したのであれば職場での理解も得やすく、扶養内に抑えることも可能です。中には扶養内で働きたい薬剤師のために独自のシステムや、時短勤務を可能にするケースもあります。

また扶養内で働くためには、会計、給与に関する事務を行う経理に詳しい担当者の協力を得る必要もあるでしょう。

3-4. 103万円ギリギリを狙わない

どんなに綿密に計算し103万円以内に収められるようにしていても、同僚の薬剤師が急に辞めてしまうなど不測の事態が起こることがあります。やむを得ず勤務時間を増やさなければならない状況になることもありえることを頭に置いておきましょう。

その時になって焦ることがないように、103万円ギリギリのラインではなく、少し余裕をみて年収計画を立てるようにしましょう。

4. 夫婦の働き方が変わる?

実は現在、女性がもっと積極的に社会進出できるようにする目的で配偶者控除を廃止し、共働き夫婦を想定した「夫婦控除」という新制度を導入することが議論されています。

この動きに不安を感じるパート薬剤師さんもいることでしょう。ですが、この見直しは裏を返せば、妻が収入の上限を気にせずに働くことができるようになることを意味します。

少子高齢化が進む中、女性のさらなる社会進出は労働人口確保の観点からも国の大きな課題です。早くて2017年の1月に改正されるといわれていますので、政府の今後の動向に注目しましょう。

5. おわりに

扶養内で働きたいと考えるパート薬剤師さんは、就職先を選ぶ際に福利厚生として健康保険、雇用保険などが整っているか確認することが必要です。また、扶養内での働き方に理解がある職場を選ぶようにしましょう。

扶養内で働くか、扶養を外れて働くかは、家庭と仕事の両立をしたいと考える薬剤師の大きな課題です。この記事を参考にして、無理せず自分らしい働き方をみつけてくださいね。

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薬プレッソ編集部

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