薬剤師国保 ? 社保 ? 薬剤師さんのための賢い健康保険選び – 薬プレッソ

薬剤師国保 ? 社保 ? 薬剤師さんのための賢い健康保険選び

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病院で診察を受ける際に必要な健康保険。保険が利かなければ医療費の請求はかなりの高額になってしまいます。診療費の一部が負担される健康保険は、私たちにとって、とても大切なものです。

健康保険は、「国民健康保険(国保)」と「社会保険(社保)」に代表する様々な種類の保険が存在しています。そして、薬剤師として働く方には、薬剤師のみが加入することのできる薬剤師国民健康保険組合(薬剤師国保)という選択肢が存在しています。
パートで働いた時など、薬剤師国保と社保のどちらがお得なのか、また違いはあるのか、あまりよく知らない方が多くいるのではないでしょうか?

この記事では、どんな人が加入できるのか、社保との違いなど、気になる薬剤師国保について解説し、みなさんの疑問を解消していきたいと思います。社保と薬剤師国保ではどちらの方にメリットが大きいのか知りたい、保険料の支払いで損をしたくないという方はぜひ参考にしてみてください。

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1. 国民健康保険とは?

まずこの章では、国民健康保険について解説していきます。

1-1. 健康保険の分類

国民健康保険について話を進める前に、まずは健康保険全般についてまとめておきましょう。健康保険は加入できる人の違いにより、以下のように分類できます。

・社会保険(社保):民間企業等で働く正社員や正社員の3/4以上労働する人が加入できる保険です。医療保障の健康保険と厚生年金保険からなります。
・国民健康保険(国保):国民の誰もが加入できる保険です。具体的には、個人事業主、無職の方など、他の保険制度に属さないすべての人に加入が義務付けられています。仕事はしていても短時間労働(1週間の労働時間が30時間未満)である方も、国保の加入対象者です。
・協会けんぽ:民間の中小企業等で働く人が加入できる保険です。
・全国国民健康保険:全国国民健康保険組合加盟者が加入できる保険です。
・その他:共催組合保険、船員保険、日雇健康保険 等が存在します。

1-2. 国民健康保険とは?

次に、国民健康保険(国保)についてもう少し掘り下げて解説していきましょう。

国保は各市区町村単位で運営されています。したがって、国保への加入や脱退などの手続きは、住所を登録している市区町村の役場で申請します。このため、保険料は住んでいる市区町村によって多少異なります。

我が国の健康保険制度は「国民皆保険」が基本とされています。すなわち、日本国内に住所がある方は年齢や国籍などに関係なく、必ず何らかの健康保険に加入することが義務付けられています。ですので、社会保険をはじめとした他の保険に加入していない人は、国保に加入することになります。

2. 薬剤師国保とは?

薬剤師国保とは、薬剤師のみが加入することができる「薬剤師国民健康保険」の略称です。この薬剤師国保の運営団体は、全国各地域の薬剤師国民健康保険組合であり、社団法人・全国国民健康保険組合協会(全協)の加盟組合のひとつです。
また、薬剤師国保は薬剤師であれば誰でも加入できるという訳ではありません。この保険に加入するには条件があり、その条件を満たした薬剤師のみ加入することができます。

では、一体どのような加入条件があるのでしょうか?

2-1. 加入条件

薬剤師国保は、国保の一種であるため、市町村単位で運営されています。加入者は所定の住所を持つ人に限られます。例えば、東京都薬剤師健康保険組合の資格要件は、以下のようになります。(東京都薬剤師健康保険組合のホームページより抜粋)

  1. 1. 東京都薬剤師会の会員であって、東京都内に所在する薬局又は医薬品販売業(以下1.「薬局等」 という。)の開設者
  2. 2. 東京都薬剤師会の会員であって、薬剤師の業務に従事する者
  3. 3. 組合員が開設する薬局等の従業員

3に挙げられるように、薬剤師以外の従業員であっても薬剤師国保に加入できます。薬剤師である場合は、地域の薬剤師会への加入が義務付けられます。

薬局が新しく雇用した従業員を薬剤師国保に加入させたい場合、加入申込書の他に、個人番号入り世帯全員の住民票原本(3ヵ月以内のもの)、家族が他の健保に加入している場合は被保険者証の写し、本人確認の写真付き証明書が必要です。

2-2. 家族が加入する際の条件

薬剤師国保は、組合員の家族の加入が必要です。

薬剤師が薬剤師国保に加入すると、社保加入者以外の同一世帯の家族も薬剤師国保に加入することになります。これは、国民健康保険法で被保険者証が世帯単位と定められているためです。

具体的には、薬剤師国保の組合員と同一世帯に属する家族(住民票が同一の世帯員)で、他の健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合、他の国保組合)に加入していないことが加入の条件になります。

市町村国保に加入している方は、国民健康保険法により薬剤師国民保険組合の被保険者となることが優先されます。

別居している扶養家族は薬剤師国保に加入できません。また、もし同居している場合でも住民票が分かれていれば加入することはできません。

薬剤師である組合員が薬局を退職した場合は、薬剤師国保から脱退しなくてはなりません。ですが、退職後に条件を満たす薬局に就職・転職すれば、再び薬剤師国保に加入できます。

2-3. 保険料について

薬剤師国保の組合員には種別があり、その種別により月々に支払う保険料が変わります。
保険料は市区町村により異なりますが、保険料は事業主組合員、従業員(薬剤師)、従業員(その他)、家族の順で保険料が低くなります。そして75歳以上の人は後期高齢者(75歳以上)に該当し、支払う保険料も少なくて済みます。
保険料など詳細については、住居地の薬剤師健康保険組合にお問い合わせください。

2-4. 勤務先が薬局の場合

勤務先が薬局の場合、加入する保険が薬剤師国保なのか社会保険なのかは、常勤の従業員の人数によって変わります。

薬局にお勤めの方の場合は、勤務先の従業員数が薬剤師国保に入れるかどうかの基準の一つとなります。

薬剤師国保は、常勤の従業員が職種を問わず5人未満である個人事業所に勤務する従業員が加入できる健康保険です。常勤の従業員が5人以上であったり、法人であったりする場合は社会保険の強制適用事業所となり、制度上、社会保険が優先されることから、従業員は薬剤師国保への加入はできません。

個人事業所でこれまで常勤の従業員が5人未満でしたが、5人目を雇用することになったケースについて、考えてみましょう。
この場合、もしその個人事業所が薬剤師国保に残りたいのであれば、5人目を雇用した時点で「健康保険適用除外承認申請」を年金事務所に提出し、承認を得る必要があります。この適用除外の届け出には期限があり、遅れてしまうと薬剤師国保の組合に残ることができなくなります。

3. 薬剤師国保と社保の違いについて

次に、薬剤師国保と社保の違いについて紹介していきましょう。

3-1. 薬剤師国保のメリット・デメリット

薬剤師国保の保険料は定額制で、毎月同じ金額の支払いとなります。ですので、給与の額によっては、社保よりお得な場合があります。

ですが、薬剤師国保では、国保と同様に家族(配偶者や子供)にも保険料がかかります。扶養の制度がない国保との違いは、国保同様に家族1人1人への保険料はかかる代わりに、家族割引があることです。家族がいる方は国保に比べ、この点がメリットになります。

薬剤師国保に加入する場合、各加入者自身が保険料を全額支払うので、薬局側の負担はありません。加入者である薬剤師側から見るとこれはデメリットと言えます。

3-2. 社保のメリット・デメリット

社会保険の健康保険、厚生年金に加入する場合、保険料は個人(従業員)と法人の折半となります。すなわち、保険料の半額を法人が負担する形です。従業員である薬剤師とすれば、これはメリットです。

そして、社保の場合、個人の標準報酬月額から保険料を算出するため、給料が上がれば保険料も上がります。したがって、月々に稼ぐ給与の額に応じて、社保への加入はメリットにもデメリットにもなります。

4. 薬剤師国保と社保、どちらがお得なのか?

薬剤師国保と社保のメリットとデメリットを踏まえた上でどちらがよりお得なのかと考えると、一概にどちらがいいと言い切れないのが実情です。それは薬剤師個人の給与や扶養家族の有無で、保険料に差が出てくるからです。また各地域の組合で保険料に差があるにおることも加味しなければなりません。

独身で扶養家族がいない薬剤師の場合、月給が30万円くらいであれば、薬剤師国保と社保のいずれでも支払う保険料に大差はないといわれています。

これまでお話ししてきたように、薬剤師国保に加入できるかどうかは勤務先の薬局の条件によります。もし薬剤師国保を狙って転職を考えているようなら、転職先を探す際にその希望を伝え、相談する必要があります。

転職支援サイトを利用する場合は、求人の待遇・福利厚生の欄にしっかりと目を通し、どのような保険に加入できるのか確認しましょう。もし保険に関する情報が記載されていない場合は、問い合わせてみましょう。

薬剤師国保の制度内容は、各都道府県で異なりますので、各地域の組合に問い合わせてみるなどし、どちらの方がお得なのか比較してみましょう。

この記事を参考にして、納得のいく健康保険選びを実現してくださいね。

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薬プレッソ編集部

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