薬剤師の資格・経験を活かす在宅ワーク! 自宅にいながら賢く働く

子育て、介護など生活環境の変化から在宅ワークを選ぶ薬剤師が増えてきていることをご存じでしょうか? これから在宅ワークを始めようと思っている方の中には、まったく未経験でどのような仕事があるのか分からない方も多いでしょう。また、これまでと違った仕事の形態を選ぶことに不安を持っている方も少なくないはずです。
この記事では、薬剤師の在宅ワークについて取り上げていきます。概要を知り、この新しい働き方への理解を深め、未知の仕事に対する不安感を減らしましょう。
この記事を読むことによって、薬剤師の在宅ワークの基本的なことを知ることができますので、将来的に在宅ワークを視野に入れている方はぜひ参考にしてみてください。
- 1. 薬剤師が在宅ワークをする訳
- 2. 薬剤師の在宅ワークとは?
- 2-1. メディカルライター業務
- 2-2. 問い合わせ対応
- 2-3. 薬剤文献の翻訳など
- 2-4. 書類作成業務
- 2-5. DI業務
- 3. 在宅ワークのメリット
- 3-1. 自分のペースで仕事ができる
- 3-2. 人間関係を気にする必要がない
- 3-3. 通勤などの必要がなく、時間を有効活用できる
- 4. 在宅ワークのデメリット
- 4-1. 仕事の報酬が安く、収入が安定しない
- 4-2. 自己管理が大変
- 4-3. 営業、経理など、全て1人で行わなければならない
- 5. おわりに
1. 薬剤師が在宅ワークをする訳
インターネットの普及に伴い、様々なサービスを活用して企業に属さず自宅を拠点として仕事をすることが可能になりました。このような在宅ワークは、仕事と生活の調和の取れる働き方として注目を集めています。
これまで病院、薬局、製薬企業などで働いてきた薬剤師さんが在宅ワークを始めるきっかけは、主に子育てや両親の介護といった個人的な家庭の事情です。これまでのように正社員として決められた時間に働くことが難しくなっても、在宅の仕事であれば空いた時間を活用して仕事を続けることができます。
このように在宅で子育てや介護の合間に仕事をすることで、仕事と家庭生活との両立が可能となるのです。
クラウドソーシングを利用したり、薬剤師ライターを募集している会社にコンタクトを取ったりすれば、薬剤師としての知識を活かした在宅の仕事をみつけることは十分可能です。
このような理由から、薬剤師としての職能を活かした在宅ワークを始める人が増えています。
2. 薬剤師の在宅ワークとは?
実際に、薬剤師の在宅ワークにはどのようなものがあるのでしょうか?
2-1. メディカルライター業務
薬剤師の在宅ワークとしてまず挙げられるのが、メディカルライター業務です。この仕事では主に医薬品、サプリメント、健康食品や病気などについての記事を作成します。その他にも、薬剤師のキャリアについて体験談の執筆を依頼されることもあります。
この仕事をするにあたってクライアントは薬剤師であることを理由に記事の執筆を依頼してくることが多く、これまでの薬剤師としてのスキルを活かすことができます。
2-2. 問い合わせ対応
次に挙げられるのが、製薬会社の仕事を代行する形で医薬品などに関する問い合わせに答える仕事です。問い合わせ対応電話対応だけでなく、メールでの対応をしなくてはならない場合もあります。
顧客からの質問に迅速に対応するためには専門的な知識が要求されるので、薬剤師の有資格者であると採用されやすくなります。
2-3. 薬剤文献の翻訳など
最新の医学・薬学分野に関連する海外の論文や、外国で販売されている医薬品の添付文書などの外国語の文献を翻訳する仕事も、薬剤師の在宅ワークでできる仕事のひとつです。
この仕事でもクライアントから薬剤師の資格を求められることが多く、高い語学力が必要とされるため、英語が得意な薬剤師さんにおすすめの仕事です。研究職などデータを扱う仕事の経験がある方はさらに有利でしょう。
2-4. 書類作成業務
CRO(医薬品開発受託機関)や研究機関からの依頼を受けて書類を作成する業務もあります。
具体的には、新薬の治験に関わる申請書類や、プロトコール(治験を実施する医療機関及び治験依頼者である製薬メーカーが遵守しなければならない要件事項を全て網羅記載した実施計画書)などを作成いたします。
薬剤師としてだけではなく、CRA(臨床開発モニター)としての就業経験を求める企業も多くあるため、注意が必要です。
2-5. DI業務
DI業務も薬剤師としての職能を十分に活かせる仕事です。具体的には、副作用、臨床データなど医薬品に関するデータを整理、管理する仕事になります。
この業務も薬学の知識が必要で、特に過去に製薬会社でのDI業務の実務経験がある方はその経験を活かすことができます。
3. 在宅ワークのメリット
この章では、在宅ワークのメリットについて考えてみましょう。
3-1. 自分のペースで仕事ができる
在宅ワークの最大のメリットは、自分の希望の時間帯に自分のペースで仕事がすすめられることでしょう。同時に仕事の量も自分で決められるため、会社勤めの時のようにノルマを抱えることはありません。
このような働き方は、育児中の方や介護をしている方など、一日のうちに働ける時間が限られている方に向いています。
3-2. 人間関係を気にする必要がない
在宅ワークでは、自宅など自分の好きな場所が職場になります。職場での人間関係に悩むことがないので、これまで職場での人間関係や職場環境のことで悩んできた方には最適な職場と言えるでしょう。
ですが、在宅ワークといっても全く人付き合いがなくなるわけではなく、クライアントとの信頼関係の構築が重要です。しかしながら人と直接会う機会を減らすことで、対人関係のストレスを少なくし、自分のペースを取り戻すことができます。
3-3. 通勤などの必要がなく、時間を有効活用できる
在宅ワークでは病院や薬局、製薬企業などに通勤する必要がないため、育児や介護の合間の貴重な空き時間を仕事のために有効活用できるという利点があります。
育児や介護でまとまった時間を持つことができずに外で働くのが難しい方や、保育所などからの呼び出しで職場の同僚に迷惑をかけてしまうことに気が引ける方などは、在宅の仕事に切り替えることで悩みを解決することができるかもしれません。
また場所に縛られずに仕事ができるので、配偶者の仕事の関係で転勤が多い方でも仕事を辞めずに続けられます。
4. 在宅ワークのデメリット
メリットの多い在宅ワークですが、もちろんデメリットがないわけではありません。一体どのようなデメリットが考えられるでしょうか?
4-1. 仕事の報酬が安く、収入が安定しない
在宅ワークの報酬は、クライアントとの相談で決まります。
有資格者の薬剤師であっても最初から高額の報酬がもらえるわけではありません。最初のうちは一つの仕事の単価も安く、毎月の収入が安定しないでしょう。
また、拘束時間を時給に換算したときに、手間がかかった割に報酬が少ないと感じることもあります。仕事のペースを上手くつかみ、慣れていくことが大切です。
少しずつ仕事の実績を積むことで、クライアントとの信頼関係が構築されます。クライアントの信頼を勝ち得ることで仕事の依頼も増えてゆき、それにつれて収入もアップしていくことでしょう。
4-2. 自己管理が大変
自分の裁量で仕事をする時間を決められるのが在宅ワークの特長ですが、その分、仕事の配分を計算して自主的にこなしていかなければなりません。
納期を守れないことが続くと、クライアントからの信頼を失い、仕事の依頼が来なくなってしまう可能性があります。このように、自己管理をしっかりとできない人は在宅ワークには向いていません。
しっかりと自分の能力を知り、自分のできる範囲・量の仕事を引き受けるようにしましょう。
4-3. 営業、経理など、全て1人で行わなければならない
病院、薬局、製薬企業などに勤めているときは薬剤師としての業務だけをこなせばよかったのですが、在宅ワークの場合はそうはいきません。
仕事を得るための営業、報酬の請求、確定申告などの経理など、その他の業務も全部一人でこなさなければなりません。これらの作業が苦痛になる人は、在宅ワークには向いていないかもしれません。
5. おわりに
薬剤師さんの中にも、家庭の事情で在宅での仕事を選ぶ人が増えており、今後ますます増加していくことが予想されます。
病院、薬局、製薬企業といった職場に働きに出ているときとは違い、自宅が仕事場になります。ですが在宅ワークでも外で働く薬剤師と同様、仕事を通して薬剤師の職能を活かせます。
在宅ワークと一口に言っても様々な種類の仕事があります。自分にあった在宅ワークを見つけ、家庭と仕事の調和が取れた生活を目指しましょう。