薬剤師の宿命? 仕事のストレスとその回避方法 – 薬プレッソ

薬剤師の宿命? 仕事のストレスとその回避方法

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薬剤師は、薬のプロとして様々な場面で医療との関わりを持っています。仕事でミスをすると、患者さんを命の危険に晒してしまう可能性もあります。人々の健康を守ることにやりがいを感じながらも、その責任の重さや緊張感がストレスへと変わってしまうこともあるようです。

大手調剤薬局チェーンにより行なわれた薬剤師の仕事におけるストレスに関するアンケートでは、薬剤師はストレスから来る精神的・肉体的な悩みを抱えている割合が高いという結果が報告されています。
この記事では、薬剤師が仕事のストレスとどのようにつきあっていけばよいか検証します。

仕事のストレスを解消できないままでいるとミスを起こしやすい精神状態になり、さらに自分を追いつめる結果を招きます。

この記事を参照にして、仕事のストレスと上手に付き合っていきましょう。

1章 薬剤師が抱えるストレスって?

まずは薬剤師が抱えるストレスについて考えていきましょう。

薬剤師の仕事のストレスと一口に言っても、様々なストレスがあります。また業種によってもストレスのタイプが変わります。

1-1 人間関係が上手くいかない

他の仕事と同様、薬剤師の仕事においても人間関係は重要です。
人間関係が崩れてしまうと摩擦や感情の行き違いが生まれ、ストレスに感じられてしまいます。

薬剤師のほとんどは、限られた空間の中で働きます。
特に調剤薬局は狭い空間の中で、同僚と多くの時間を過ごします。狭い空間の中で人間関係がギクシャクしてしまうと、仕事にも影響が出てきます。毎日、顔を合わせなければならないのも、負担に感じられるようです。

病院薬局は、どのような企業でもありがちなことですが、派閥やヒエラルキーが存在することがあります。
ドラッグストアなどとは異なり、人事異動もありません。病院薬局内での人間関係を上手く築けなければ、ストレスに感じてしまうこともあるでしょう。

また、薬局外でも医師、看護婦など他の医療スタッフとのコミュニケーションが必要です。患者さんの情報を引き出すためにカルテを見せてもらうなど、医療スタッフとのつきあいはとても重要になります。しかし、円滑にコミュニケーションを取ることが出来ず、ストレスに感じてしまう人も多いようです。

そして、製薬企業のMR(医薬情報担当者)やMS(医薬品卸売業の営業担当者)など営業の仕事では、得意先の医師や調剤薬局の薬剤師と幅広くつきあわなければなりません。営業職は、コミュニケーション能力や行動力が重要視されます。人間関係が営業成績に直結しているのです。

どのような業種でも仕事上の人間関係は、切り離せません。円滑な人間関係を築くことが、一番のストレス回避方法になりそうです。

1-2 給与への不満

収入と仕事のつり合いがとれていないという不満が、ストレスになります。

厚生労働省による「平成25年賃金構造基本統計調査」によれば、薬剤師の平均年収は533万円という結果で、一般的に思われているほど高くはありません。

その割に調剤業務や薬剤監査などミスが許されない仕事が多く、ストレスと緊張の連続です。
人命を扱う職業にも関わらず、見合った評価を得られないと感じてしまう人も多いようです。

1-3 仕事とプライベートの切り替えがうまくできない

薬剤師の仕事は責任が重く多忙なため、仕事とプライベートの切り替えがうまくできないことがあります。
プライベートが確保しづらい傾向にある例として、年中無休で営業しているドラッグストアと、入院患者の定期薬の変更や臨時処方に休日も応じなければならない病院が挙げられます。
また製薬企業のMRは、納期や売り込み時期の関係で、繁忙期の休日に出勤しなければならないこともあります。

多忙で休みが少ないということは、それだけストレスを解消できる機会が少ないということ。それだけでなく、患者さんの健康に関わる仕事だからこそ、プライベートと完全に切り離して考えることは難しいでしょう。

また、万一調剤過誤などが起こってしまった場合、迅速な対応が必要です。現場の責任者であれば、プライベートより仕事を優先してトラブルに対応しなければならないこともあります。

1-4 休みが取りづらい

休みが取りづらい職場環境は、ストレスに感じられるかもしれません。

特にドラッグストアは営業時間が長く、中には24時間営業の店舗もあります。たとえ一人薬剤師の店舗ではなくても、長い営業時間の中で薬剤師が一人になることはよくあることでしょう。薬剤師の配置人数にも左右されますが、休みを取りたい場合は他の薬剤師に掛け合うなど、事前の根回しが必要になります。
大手チェーンのドラッグストアでは、他の店舗などから代わりの薬剤師が応援に来てくれることがあるでしょう。しかし、本部への前もった申請などをしなければならず、休みを取るまでにストレスを感じることもあります。
配置人数に余裕があれば、休みも取りやすいでしょう。しかし、ギリギリの人員で回している店舗の場合は、休みを取る際は少し苦労することが多いようです。

また、店舗形態に関わらず定休日が決まっている調剤薬局では、まとまった休みは取りにくいもの。ドラッグストアと同様に、前もって休みを申請しておかねばなりません。

2章 ストレスをためると

ストレスは、健康状態に大きく影響します。
どんなストレスでも、すぐに解消できれば問題はありません。しかし、ストレスを上手く回避・解消できる人もいれば、悩んでしまう人もいます。

ストレスをためると、体に様々な影響を及ぼします。

2-1 イライラする

ストレスを感じると交感神経が強く働き、血圧、アドレナリンが上昇し、俗に言う「イライラした状態」になります。
イライラすると仕事の作業効率が落ちるだけでなく、ミスをする確率も増えます。さらなるストレスを招く原因になるでしょう。

また、苛立ちが原因で周りにあたってしまうとその後自己嫌悪を感じて、ますます大きなストレスを引き起こします。
単なる欲求不満だと軽視しがちですが、この負のループを断ち切るのはなかなか難しいものがあります。

2-2 ホルモンバランスが崩れる

特に女性はストレスを抱えると、自律神経を乱します。
自律神経が乱れると、女性ホルモンのバランスが崩れ、ニキビや肌荒れを引き起こします。それだけではなく、月経困難症や月経不順になることもあるのです。

2-3 頭痛やめまいがする

自律神経の乱れは、頭痛やめまいの原因にもなります。
ストレスを受けると自律神経が有利に働くようになり、体が緊張し、血管が収縮します。頭の血流が悪くなるために頭痛の原因となります。
いつもより平衡感覚が敏感になり、普段感じないような揺れを大きく感じるようにもなります。そしてその揺れを不安に感じるためにさらにふらつき、めまいは大きくなるのです。
頭痛やめまいは体が発する注意信号。軽視せず、ストレスの原因について考えることが必要です。

2-4 燃え尽き症候群になる

いわゆる燃え尽き症候群も、ストレスが原因で引き起こされることがあります。
燃え尽き症候群とは、今まで努力し続けていた人が、突然やる気やモチベーションを失ってしまう症状のことです。

燃え尽き症候群の1つの原因は、頑張りすぎです。
自分の頑張りに対して期待した結果が出なかった場合、徒労感、不満、ストレスを感じるものです。慢性的にこのような状態が続くと、だんだんと意欲が湧かなくなり、いつも体がだるくなったり、朝起きて職場に行けなくなったりします。

2-5 胃潰瘍やうつ病になる

胃潰瘍やうつ病はストレスと密接に関係しています。ストレスを過剰にためこむと、体の弱い部分が選択され、普段よりも病気を引き起こしやすくなります。
ストレス性の胃潰瘍は症状を繰り返すという特徴があり、治療と並行した心のケアが必要です。

またうつ病になると仕事を続けることが難しくなり、克服するために多くの時間を要します。ストレスの原因である職場の環境を変えるなど大きな試みをしなければ、原因を取り除くのは難しいでしょう。

3章 ストレスの回避方法

ストレスは抱え込まないことが一番です。
または、ストレスを感じる前に出来るだけ回避したいもの。

薬剤師として仕事をする上で、どのように回避できるのでしょうか。

3-1 周囲のスタッフを信頼して仕事をする

ばたばたした状態で仕事をしていると視野が狭くなり、一人で抱え込んでしまいがちです。
すべての仕事を一人でこなすのは不可能です。自分一人で仕事をしなければならないというプレッシャーが、やがてストレスに変わってしまうかもしれません。周囲のスタッフを信頼し、一人で抱え込まず仕事を行いましょう。

すべての仕事を完璧にこなそうとするとストレスがたまってしまいます。助けてくれる同僚がそばにいることを忘れず、信頼して仕事を分担してください。自分の限界を知り、考え方を変えるだけで肩の力が抜けるはずです。

3-2 感情をバランスよく保つ

仕事の最中は、感情をバランスよく保つのもストレスを回避する方法として最適です。
患者さんや同僚に対して感情的になっても、何も良いことを生み出しません。緊張感を持ちつつ肩の力を抜いて、仕事の時はきちんと仕事と割り切りましょう。コントロールしバランスを上手く保つことが大切です。

忙しくなると、焦って冷静さを欠いてしまうことはよくあること。何か嫌なことがあると負の感情に引きずられ、仕事で大きなミスをしてしまうかもしれません。冷静さを失ってしまうとストレスがたまり、ミスを起こしやすくなるなど状況はますます悪化します。

そんな時こそ深呼吸して、いつも以上に冷静でいることを心がけましょう。

3-3 期待しないようにする

周囲の人間に期待しすぎてしまうと、自分の思い通りにならなかった場合、ストレスを感じてしまいます。
例えば、上司ならこの問題を解決してくれるだろう。同僚が手伝ってくれるはずだ。このような期待は、実現しなかった場合にストレスの原因になります。

人間関係上のストレスのほとんどは、期待を裏切られることで起こります。
期待通りに行くこともあれば、上手くいかないこともあるでしょう。
自分は自分、相手は相手と、割り切って仕事をするように努めましょう。

3-4 怒らない

仕事がうまくいかないとつい周囲のせいにして、怒りたくなってしまいます。
しかし、どんなに怒っても、相手は変わりません。それだけでなく、自分自身も職場にとって嫌な存在になってしまいます。
頭に血がのぼってしまったら、まずは深呼吸。一度その場から離れ、落ち着きを取り戻しましょう。その上で原因を探り、なぜそうなってしまったのかを冷静に考えます。

仕事の上で最も大切なのはチームワークです。同僚に注意する際も、自分が正しいと思うことを伝える言い方をするよう心がけましょう。
お互いに思いやりの心を持って行動することが、職場でのストレスを軽減するキーポイントとなります。

4章 おわりに

人命に関わる薬剤師の仕事は、緊張感や責任感がつきもの。常に大きなプレッシャーを抱いて働いているという点でストレスが多いのは、薬剤師の仕事の宿命です。
薬剤師の仕事ならではのストレスをしっかりと把握し、できるだけ回避しながらうまくつきあっていくことが重要です。

いつでも客観的な目で自己分析できるよう心がけ、ストレスに負けない薬剤師を目指しましょう。

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薬プレッソ編集部

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