専門薬剤師とは? – 薬プレッソ

専門薬剤師とは?

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複雑化する医療現場では医師や看護師だけではなく薬物治療の分野で活躍をしている薬剤師も増えています。
特にがん治療などでは新しい薬を試す際に薬剤師の経験や知識が必要とされています。
このような流れの中で薬物治療に必要な技術がある薬剤師を専門薬剤師と認定する制度が生まれました。
専門薬剤師について詳しく見ていきましょう。

専門薬剤師とは

日本病院学会で認定されるがん専門薬剤師、精神科専門薬剤師、HIV感染症専門薬剤師、妊婦・授乳婦専門薬剤師、感染制御専門薬剤という5つの専門薬剤師の他に、日本静脈経腸栄養学会で認定される栄養サポート(NST)専門薬剤師、日本腎臓病薬物療法学会で認定される腎臓病薬物療法専門薬剤師などがあります。
また専門薬剤師の他に学会や団体認定している認定薬剤師というものもあり、専門薬剤師になるための資格要件になっている場合もあります。
薬剤師教育は平成18年4月より6年制になったことにより医療現場で必要とされる専門教育が充実しました。
それだけ医療現場における薬剤師に求められる役割が専門的になり、重要化してきているということでしょう。
専門薬剤師はその高度な知識で患者さんの治療環境を充実させ、安心を与える重要な役割を担っています。

専門薬剤師になるために必要な事

専門薬剤師になるためにはそれぞれの認定薬剤師になる必要があります。
認定薬剤師になるためにも一定期間の薬剤師歴、専門領域での活動年数、必要研修の受講、一定以上の症例に関わる必要があります。
その上で学会での発表や学術論文などの発表を既定の回数満たした上で認定試験に合格する必要があります。
例えば、がん専門になるためには受験する前に5年以上の研修を受け、服薬指導などの薬学的介入実績を50症例提出するという認定審査を通った上で認定試験に合格することが必要です。その50症例も3臓器、領域以上が必要です。
がん専門薬剤師になるための前身であるがん薬物療法認定薬剤師は制度開始から5年で認定者が1,000名を超えており、実際にがん専門薬剤師は平成27年1月15日で437名認定されています。
また、平成22年に制度内容に変更があり、日本医療薬学会で認定されるがん専門薬剤師については唯一「広告できる資格」として厚生労働省より告示されています。

専門薬剤師の仕事内容とは?

【がん専門薬剤師】

がん専門医や看護師などの医療チームの一員となり、がん治療に専念します。
がん治療においては新しい抗がん剤が次々と開発されていますので、その導入の際に薬剤師の持っている高度な知識が必要となります。
過剰投与や副作用によるリスクを軽減するために医療現場において医師や看護師に必要な指導やサポートを行うなど重要な役割を占めています。

【栄養サポート(NST)専門薬剤師】

患者さんの健康を取り戻すための栄養管理を目的として作られる医師、看護師、栄養士からなる栄養サポートのチームの一員として活躍するための資格です。入院している患者さんの栄養療法に関わることができ、看護や栄養といった分野の知識も必要になります。

【腎臓病薬物療法専門薬剤師】

腎機能が低下している患者さんへの薬物治療において、薬剤の処方を監査し、用量を適正化し、副作用の初期症状への対応や患者さんへの服薬指導を行います。

専門性の高い腎領域における薬物の適正使用への理解を深める先導役としての活躍が期待されています。

【感染制御専門薬剤師】

病院で抗菌剤の適正使用、消毒薬の適正使用、院内環境の衛生管理などにあたります。
チーム医療の一員として院内で感染制御が適正に行われているかを判断し、その改善にあたります。

【精神科専門薬剤師】

病院での精神疾患の治療の際に、適切な薬物療法を提案します。
精神疾患の治療は患者自体も状況を伝えにくく、効果も見えにくいので医者と薬剤師で連携を取りながら治療に当たる必要性が求められています。

【HIV感染専門薬剤師】

患者さんへの適切な服役指導にあたり、臨床経過を把握することも大切な業務です。
チームでの治療にあたり、ソーシャルワーカーや臨床心理士などにも抗HIV薬などに関する情報をいち早く知らせて連携を取ります。
最近では感染予防に取り組むことも薬剤師の重要な課題とされています。

【妊婦・授乳婦専門薬剤師】

妊婦・授乳婦に対する薬物療法が必要な際に薬物の有効性や安全性を確保した上で必要な薬物指導を行います。
妊婦にリスクと効果を説明した上で使用を進めていくので、そのカウンセリングも重要な業務の一つです。
最終的に判断をするのは妊婦とその家族であるので薬剤師の専門的知識をフル活用して必要な情報を提供することが求められます。

専門薬剤師に転職するために必要な事とは?

専門薬剤師を目指すためにはその道のりは長く、その専門性を長い期間をかけて極めていくことが必要ですね。
専門薬剤師になるためにはまずはその認定薬剤師を目指すことになります。
学会発表や論文の発表のことを考えると大学病院などの大きな病院で経験を積めた方が有利でしょう。
もし、専門薬剤師になりたいのならば町の調剤薬局やドラッグストアではなく総合病院などに勤めるのが望ましいです。皆さんが取得を目指す資格に合わせて、症例が集めやすい環境に就職できることが重要です。
逆に今まで違った領域での活躍しかないのであれば専門薬剤師を目指すよりも今の道を究めた方が確実ではないでしょうか。
病院などでの勤務経験がある場合も今の病院では必要な要件が得られないようであれば、転職エージェントに相談をしてみるのも良い方法でしょう。同じような専門薬剤師が活躍しているような求人情報などを紹介してもらえる可能性が高いです。
専門性が高いからこそ、自分の求める経験が得られるような求人情報を探すのはなかなか難しいのです。
薬剤師の仕事は専門的なので就職先の業種を変えるよりは、今までやってきたことを活かせるようなところに転職してその道を極めて行った方が確実なキャリアアップに繋がるのではないでしょうか。

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薬プレッソ編集部

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