薬剤師の労務管理【第14回】研修は業務に含まれる?教育・研修制度について

薬剤師にとって、今後のキャリアに繋がっていく教育や研修が、職場によってどのように異なるのかというのは気になるところです。本シリーズでは、薬剤師が知っておくべき労務管理のあれこれについて、社会保険労務士の長友先生から講義形式でお伝えいたします。
今回は、「教育・研修」についてのお話です。
教育制度や研修の有無・内容は会社によって千差万別
調剤薬局や病院、ドラッグストアなどには、薬剤師さん向けに様々な教育プログラムや研修制度が用意されています。
教育プログラムや研修制度の内容は、会社によって異なります。それらが充実している会社はたいていホームページに掲載しているので、転職活動を行う際は十分にチェックしましょう。今後の薬剤師としてのスキルを向上させていく上で重要です。
研修に当てられた時間は労働時間に含まれるのか?
研修について、多くの人が気になるポイントが「研修に参加している時間が業務扱いになるかどうか」ということです。この時間が業務扱いになるのかどうかは、「参加の強制度合い」で決められるケースが多いです。
例えば「業務命令で絶対参加」という場合は業務扱いになり、賃金が発生します。一方で「勉強したい人がお昼休みに勉強会に参加する」という場合は業務扱いにならないので、賃金は発生しません。会社の義務なのか自由参加なのかで判断すると良いでしょう。
義務付けられた研修を辞退することは可能?
会社から義務付けられた人材育成や業務習得を目的とした研修は、基本的に断ることはできません。義務付けられた研修は、就業規則や雇用契約に基づくものだからです。参加は必須です。
今回のポイント
・教育プログラムや研修制度の内容は会社によって異なる
・研修時間が業務扱いになるかどうかは、強制度合いによって判断できる
・会社から義務付けられた研修は、基本的に断ることはできない
長友社会保険労務士事務所 代表
長友秀樹(ながとも ひでき)
一般企業に就職後、MR、社会保険労務士(社労士)資格を取得。人事コンサルタントとしても活動経験を持つ。MR・人事コンサルタントとしての知見を生かして、自身の事務所を独立開業。医療業界に係わる人事・労務の諸問題の解決を中心に扱っている。
長友秀樹(ながとも ひでき)
一般企業に就職後、MR、社会保険労務士(社労士)資格を取得。人事コンサルタントとしても活動経験を持つ。MR・人事コンサルタントとしての知見を生かして、自身の事務所を独立開業。医療業界に係わる人事・労務の諸問題の解決を中心に扱っている。