薬剤師の労務管理【第10回】 薬剤師の給与は月給制?年俸制? – 薬プレッソ

薬剤師の労務管理【第10回】 薬剤師の給与は月給制?年俸制?

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自分のお給料がどれくらいもらえるのかを予め会社に確認しておくことは、トラブルを避けるためにも大変重要です。本シリーズでは、薬剤師が知っておくべき労務管理のあれこれについて、社会保険労務士の長友先生から講義形式でお伝えいたします。 今回は、「薬剤師の給与」についてのお話です。

薬剤師は月給制?年俸制?

転職を考えるとき、「給与」は非常に気になる条件の一つです。 薬剤師の場合、「月給制」なのか「年俸制」なのか、給与形態にはいくつかパターンがあります。基本的には薬局や病院が決めることなので、募集要項等でしっかりと確認してください。

年俸とは、「トータルであなたの給与は年間600万円」のように、1年間の給与の総支払い額のことを言います。いわゆるプロ野球選手のような年俸とは違い、賃金の支払いは≪毎月払い≫です。一般労働者において、法律には「給与は毎月払い」という決まりがあるのです。

年俸制の分割方法は、12等分した額が毎月支払われる、 あるいは15等分した額が毎月支払われ、残りの15分の3を1.5ずつ6月と12月の賞与の時期に支払われるなど、会社によって異なります。

初任給はどのくらい?昇給、賞与はある?

「初任給」「昇給」「賞与」についてなど、すべては薬局や病院が決めることです。 例えば、募集要項に「年俸500万から、詳細は面接で」と記載されていたら、面接でご自分の給与がどれぐらいになるのかをきちんと確認しましょう。

また、昇給や賞与は任意であり、法律では定められていません。「患者さんが増えないと賞与が出ない」「勤務評価が重要視される」など、その年の業績や個人の成績次第というところが多いのではないでしょうか。

収入を上げるには、会社の業績を見極めて、今の職場、次の職場でも「会社にきっちりと貢献すること」が近道となるでしょう。

残業代について

「残業代は別途支払われるのか、固定残業代として給与に含まれるのか」については、入社前に必ず確認しておくべき情報です。曖昧にしたままで入社し、残業代は別に出ると思っていたのに実は含まれていた・・・そういった入社後のトラブルが後をたちません。会社を選ぶ際には十分にお気を付けください。

今回のポイント

・給与形態は月給制、年俸制、いくつかパターンがある

・職探しでは初任給を確認し、昇給や賞与がありそうかどうか会社の業績を見極めること

・収入アップを狙うには、会社の業績を見極め、会社にきっちりと貢献すること

・トラブル回避に、残業代が別途支払われるのかどうかを入社前に確認すること

長友社会保険労務士事務所 代表
長友秀樹(ながとも ひでき)
一般企業に就職後、MR、社会保険労務士(社労士)資格を取得。人事コンサルタントとしても活動経験を持つ。MR・人事コンサルタントとしての知見を生かして、自身の事務所を独立開業。医療業界に係わる人事・労務の諸問題の解決を中心に扱っている。
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薬プレッソ編集部

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薬剤師のみなさんが仕事でもプライベートでも、もっと素敵な毎日を送れるような情報を日々発信しています。

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