薬剤師の年収は実は高くない!?年収をあげるコツ

薬剤師の年収は高いイメージがありますが、薬剤師の年収は、意外と…高くありません。医療関連の職業に就いている人の年収は高い、一般的にはそう思われがちですが、薬剤師や関係者の間では「医学部、歯学部と終了年数が同じで学費も高額なのに、薬剤師の平均年収は低い。」という見方がやはり多いです。
そんな薬剤師の年収の実態と、その中でも薬剤師が年収を上げるためのコツについてご紹介します。
薬剤師の平均年収はいくら?
薬剤師は国家資格を持ち、専門性が高く医療現場を指させる責任重大な仕事でもあることから収入が安定していることで知られています。厚生労働省が提供している「平成27年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の平均年収は533万円となっています。
もちろん薬剤師といっても調剤薬局から病院薬剤師、ドラッグストア勤務に製薬会社など、働く場所によって大きく変わっています。薬剤師の勤務先別の年収目安は下記のようになります。
【調剤薬局】・・・400〜650万円
【ドラッグストア】・・・400〜700万円
【病院】・・・400〜650万円
【製薬会社】・・・400〜800万円
このなかでも年収が高いのはドラッグストアの店長兼任の管理薬剤師で年収700万を超える人や、製薬会社で営業職となると800万円以上稼ぐことも可能となっています。
薬剤師が年収アップするなら地方が狙い目!?
都道府県別薬剤師の平均年収TOP3は、静岡県659.5万円、熊本県614.9万円、群馬県613.1万円となっております。働く人材が集まりにくいことから、年収を上げて採用を促進していることが多く、首都圏よりも地方で働くほうが年収は高くなる傾向にあります。そのため、年収アップを狙うのなら、働く地域を変えて探してみるというのも一つの方法です。
働く地域を変えずに高年収を狙うなら、勤続年数がポイント
しかし、年収が上がるとしても地方で働くのは避けたいという方も多いと思います。そこで、働く場所を変えずに年収を上げるなら、勤続年数に注目してみましょう。
国公立病院に勤務する病院薬剤師の場合は勤続年数が長ければ長いほど上がっていきますし、病院薬局長に就くとあがります。調剤薬局やドラッグストアで働く場合は管理薬剤師になると大幅に上がります。また、「大学院卒」かどうかでも変わってくるようです。
上記以外では、薬剤師として薬局を開業する場合は、年収1,000万以上になることも多いと言われています。薬剤師は年齢が上がっていくほど(勤続年数が長いことが条件)年収は大きく上がります。
転職時に年収を上げるコツは、面接での自己アピールと、そもそもの職場選び
これまで、年収アップには勤続年数がポイントとお伝えしましたが、薬剤師が転職する際は、そもそも勤続年数が0年になってしまいます。これはつまり、転職すると年収が下がるということなのでしょうか?実は、そうとも限りません。いくつかのポイントを押さえれば、転職時でも年収アップすることが可能です。
ここでは、弊社で薬剤師の転職支援をしている中で、企業や医療機関へ年収の交渉をする際に使うコツを紹介します。調剤薬局・病院といった現場の仕事において、経験年数や管理薬剤師の経験という表面的なところでの差別化は図りにくくなっています。経験の中で何を考え、身につけてきたのか、そしてそれをどう生かすのかが重要になっています。私なら「これができます」「ここで貢献します」という今後の働きに結びつけたアピールが必要です。
さらにポイントは、「利益」につなげて話すことです。経営的なことはわからない、難しそうだと思うかもしれませんが、特別なことを言う必要はありません。ご自身の経験、できることを整理し、そこからどのように貢献できるのか考えてみましょう。実はどんなことでも利益の貢献につなげて話すことができるはずです。
他にも、比較的給与が高くなりやすい条件をご紹介します。経営者が融通して給与を決めている場合が多い個人薬局、小規模企業もあります。ただし、ご自身に合っているか、安定性なども考える必要があります。病院ならば精神科病院は、比較的求人が多く、給与に関して相談しやすい傾向にあります。一人薬剤師の職場や複数店舗での勤務、全国転勤・地方での勤務も考えられますね。業務量や働き方など特徴があるので、ご自身の理想の働き方、条件と照らし合わせた上で判断した方がよいでしょう。
ここまで、薬剤師の年収の実態と年収アップのコツを紹介しました。最後に一つだけ注意点ですが、「職場を選ぶ上で気にすべきポイントは年収だけではない」ということはお伝えさせていただきます。既にご承知と存じますが、年収が高くなるということは、その分責任や忙しさも増してくることになります。実際、年収の高い職場に転職したものの、忙し過ぎて結局続けられなかったという薬剤師さんもいらっしゃいます。
そのため、見かけ上の数字だけでなく、ご自身の年齢やライフスタイル、将来性などを考慮された上で、納得のいく転職を実現いただければと存じます。