薬剤師に役立つスキル『疑義照会について(電話編)』

このコンテンツでは、電話による疑義照会について学習します。

疑義照会は「妥協」してはいけない

疑義照会は、一人一人の患者さんに最適な薬物治療を提供する役割を果たすためにしなければならない薬剤師の義務です。けっして妥協してはいけません。たとえ確認しづらい相手であっても、必ず問い合わせをしてから調剤します。もし疑問点や不明点を確認しなかったために医療事故を起こせば、自分自身も窮地に陥ります。

電話での疑義照会は「医師側の状況」への配慮が特に重要

医療機関は、非常に忙しい職場です。電話をかければ忙しい相手に対応の手間を取らせることになりますので、緊急のとき以外の電話は避けるようにしましょう。明らかにわかるような間違いや単なる記載漏れなどは、事務職員への確認や紙ベースでの報告に留めるなどの配慮が必要です。

薬局側で対応してよい範囲(一定のルール)を決めておき、事後対応で行える範囲を増やすと、必要最小限の疑義照会で済ませることができます。予めスタッフを介する内容と、医師と直接やり取りする内容を決め、問い合わせ先を選別しておくとよいでしょう。

医師の時間を取らないよう、質問には即答できることが必要不可欠です。準備できる代替薬、同種同効薬の特徴と使い分け、中止時のリスクなど、想定されるやり取りに対する情報を十分に得ておきましょう。

疑義照会の連絡は、なるべく簡潔にまとめ、日常診療に影響を及ぼさない時間帯にします。
外来中は電話を避け、場合によっては赴いて相談するとよいでしょう。診療開始前に会いに行くというのも、ひとつの手です。

医師の考えを尊重し、気持ちの良い疑義照会を

「原疾患から禁忌ですから、併用できません。」と伝えてしまう前に、その薬の必要性を考えてみてください。もしかしたら、医師があえてその規格で処方している可能性があるからです。トラブルを防ぐために、疑義照会の際の言葉を選びましょう。医師の考えを否定したり、相手を傷つけたりすることがないよう気を付けたいものです。

疑義照会が終わったら記録する

疑義照会の記録は、誰が見てもわかる内容にすることが必要です。電話でやり取りした日時や変更内容など、簡潔に記載しておきましょう。

今回のまとめポイント

・疑義照会の重要性を理解し、妥協をしない
・医師の忙しさと処方意図に配慮し、良好なコミュニケーションを図る
・誰が見てもわかるよう、日時や変更内容などの記録をとる

経営倫理士/インストラクショナルデザイナー
ウィズサポ代表
川村 和美(かわむら かずみ):名城大学薬学部薬学科、同大薬学研究科博士号取得。薬局勤務を経て2009年に経営倫理士資格を取得。薬剤師の「倫理」の観点から薬剤師教育に尽力。日本薬学会、日本医療薬学会の代議員としても活動。執筆歴としては『薬剤師とくすりと倫理』執筆『そこが知りたい,緩和ケアにおける服薬指導』の『緩和ケア』編執筆など多数。

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