薬剤師に役立つスキル『疑義照会について(FAX編)』

このコンテンツでは、FAXによる疑義照会について学習します。

FAXの疑義照会の目的は「挨拶文をこだわる」ことではない

医療機関は、非常に忙しい職場です。急ぎの内容でないときは、できるだけ電話ではなく「FAX」で問い合わせるようにしましょう。電話とFAXを使い分けることで、緊急時には急ぎで対応してもらえるようになります。

疑義照会は、疑問点や不明点を効率的に確認しなければなりません。FAX文書として、あらかじめ1行程度の挨拶文を添えられた「疑義照会の定型文」を準備しておきましょう。時短になる上、統一化されたわかりやすい問い合わせになります。問い合わせの項目をそろえることで、より読みやすい文書を作成できます。

挨拶文に、工夫や毎回の変更といった気遣いは必要ありません。要件に入る前に、相手の先生に最低限の礼儀を示すことができていれば十分です。

疑義照会の際は相手の「忙しさ」にも気を配りましょう

「処方元は、今日の処方はもちろんのこと、これまでの処方もすべてわかっている」と考えてしまいがちですが、そんなことはありません。処方元は、1日に何十人、何百人の患者さんに処方箋を発行しています。疑義照会の問い合わせを受けて、瞬時にどういう処方だったのかどこが問題なのかがわかることは、まずありません。

また、基幹病院やクリニックによって、疑義照会の受け手が事務職員であったり看護師だったり、様々なケースが考えられます。

「疑義照会の定型文」は、「はじめの挨拶」「疑問点・不明点の説明」「問い合わせをした理由」「回答期限」「結びの挨拶」で、誰が読んでも理解できるように構成しましょう。

「疑問点・不明点の説明」「問い合わせをした理由」が明確であれば、何を確認すればいいのか、何か変更する必要があるのかどうかなど、いち早く回答することができます。医療機関は非常に忙しい職場ですので、「回答期限」があれば大変助かるでしょう。

具体例で FAX の疑義照会を確認しましょう

まずは、「悪い例」のFAXの疑義照会を確認してみましょう。

拝啓
貴院益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。

本日、処方のファモチジンは、このままでよろしいのでしょうか?用法をお知らせください。できるだけ早くお知らせいただけると助かります。

今後とも変わらぬご指導のほど、宜しくお願い申し上げます。
敬具

いかがでしょうか。これでは、先方は何が悪いのかがわからないので、「そのままでお願いします」と返事が来てしまいそうです。

つぎに、「良い例」を確認してみましょう。
同じ事例について問い合わせをした、参考にすべきFAXの疑義照会文です。

いつも大変お世話になっております。

本日、2週間分処方されたファモチジンは、先週2週間分処方されたファモチジンと処方日数が重なります。先週処方分を服薬の後、続けて服薬いただくのか、本日から倍量を服薬いただくのか、ご本人に確認しましたが、わからないと仰っておりますので、ご指示くださいますよう、お願い申し上げます。

患者さんには服薬方法がわかり次第、お電話でご連絡するとお伝えし、ご帰宅いただいておりますので、今晩の服薬時間までにお知らせいただけましたら幸いです。

お忙しいところ大変に恐縮ですが、宜しくお願い申し上げます。

いかがでしょうか。これなら、先方はどういう回答が必要なのかがわかるので、欲しい回答が得られます。

今回は、FAXによる疑義照会について学習しました。FAXを送る前は必ず読み返して、相手が誰であっても理解できる内容になっているかどうか確認しましょう。

今回のまとめポイント

・FAXによる疑義照会は挨拶文にこだわり過ぎない
・多忙な受け手への配慮を心がける
・具体例からFAXの疑義照会で大切なことを確認する

経営倫理士/インストラクショナルデザイナー
ウィズサポ代表
川村 和美(かわむら かずみ):名城大学薬学部薬学科、同大薬学研究科博士号取得。薬局勤務を経て2009年に経営倫理士資格を取得。薬剤師の「倫理」の観点から薬剤師教育に尽力。日本薬学会、日本医療薬学会の代議員としても活動。執筆歴としては『薬剤師とくすりと倫理』執筆『そこが知りたい,緩和ケアにおける服薬指導』の『緩和ケア』編執筆など多数。

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