研修認定薬剤師になるにはどうすればいい?そのメリット・デメリットは? – 薬プレッソ

研修認定薬剤師になるにはどうすればいい?そのメリット・デメリットは?

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継続的なスキルアップを図れる「研修認定薬剤師制度」とは?

スキルアップを目指す薬剤師さんにおすすめしたい制度が「研修認定薬剤師制度」。公益財団法人日本薬剤師研修センターが平成6年に開始した制度で、薬剤師として常に学び、能力を向上させたい薬剤師に役立つ資格です。

所定の研修を受けることで単位を獲得し、認定を受けることで取得できるこの資格。平成28年4月より開始した「かかりつけ薬剤師」になるための条件の一つが「研修認定薬剤師であること」というのもあり、キャリアアップするためにますます大切になってきています。

「研修認定薬剤師」になるには

必要単位・条件

「研修認定薬剤師」になるためには、協会から認定を受けた各研修を受け、合計40単位を取得する必要があります。
この40単位は4年以内に取得する必要があり、また継続的学習の観点から、一気に40単位ではなく、毎年5単位以上を修得した上で合計40単位を取得することが研修認定薬剤師となる条件となっています。

研修の種類

研修認定薬剤師になるための単位を得られる研修には、大きく分けて5種類あります。

①集合研修

大人数で行われる集合研修は、最もポピュラーな研修です。
指定された団体・会場により行われるものや、インターネットを用いて実施されるものなどがあります。
集合研修では、90分の研修につき1単位が交付されます。

②実習研修

医薬品の試験や製剤、薬用植物園の見学など、薬品に関わる現場に実際に赴き学ぶのが実習研修です。
2時間の研修につき1単位が交付されますが、取得できるのは1年に5単位までとなっています。

③グループ研修

集合研修や実習研修に該当しない、複数人で実施される研修会がグループ研修です。2時間の研修につき1単位が交付されますが、一認定期間内(3年間)に5単位までしか取得できません。

④通信講座研修

大学などが主催する、協会に認められた通信講座を受講することで単位を取得することができます。
一認定期間内(3年間)に15単位まで取得することができます。

⑤自己研修

個人で学習する自己研修については、4時間の研修につき1単位が交付されます。
一部特殊カリキュラムを除き、認められるのは1年に5単位までとなっています。

単位取得後に申請を行う

40単位を獲得し条件を満たしても、申請を行わなければ研修認定薬剤師になることはできません。

上記研修で合計40単位を獲得した後は、所定の申請料を払い、「認定申請手数料振込受領証の写し」、「研修認定薬剤師新規申請書」、「薬剤師研修手帳」、「生涯学習自己診断表」を協会に提出し、申請を行います。
申請から認定証が届くまでには2~3か月程かかりますが、認定証が届く1か月ほど前に、先にハガキで認定の知らせが届き、「研修認定薬剤師」と認められます。

「研修認定薬剤師」になるメリット・デメリット

メリット①:研修によりスキルが上がる

研修認定薬剤師になるための様々な研修を受けることで、知識が増え、スキルアップすることができます。
また、得たスキルは目に見える資格として保持できるため、医療関係者や患者さんからの信頼・評価を得ることができます。

メリット②:「かかりつけ薬剤師」になれる

冒頭でもご紹介しましたが、研修認定薬剤師であることは「かかりつけ薬剤師」になるための条件の一つにもなっています。
「かかりつけ薬剤師」は患者さん一人一人に寄り添い服薬指導を行う、やりがいのある仕事です。薬局としても、「かかりつけ薬剤師」がいれば「かかりつけ薬剤師指導料」を算定できるため、かかりつけ薬剤師になれば職場で重宝されるでしょう。

メリット③:年収やキャリアアップが見込める

研修認定薬剤師の資格を持っていると、職場によっては資格手当がつき、年収がアップすることがあります。
また、「かかりつけ薬剤師」にもなれる研修認定薬剤師は、転職市場でも重宝されます。
資格がある分だけ有利になり、転職によるキャリアアップも見込めるでしょう。

デメリット:3年に1回の更新が必須

研修認定薬剤師になることのデメリットをあえて挙げるとすれば、3年に1回の更新が必須であることです。
しかし、常にアップデートしていく医療技術や薬品を理解し対応するためには継続的な学習が不可欠ですので、研修等で学び続けることは資格の維持に関わらず、薬剤師である限り必要なことでしょう。
更新には3年毎に30単位が必要ですが、妊娠・出産・入院等やむを得ない事情があれば延期申請をすることも可能です。
延期申請を行うことで、更新の期間を1年間延長することができます。

薬剤師としてさらに成長を目指すなら

研修認定薬剤師の資格の取得を通して多くを学ぶことで、薬剤師としてより成長することができます。
また、資格を取得した後は「かかりつけ薬剤師になる」「転職してキャリアアップを目指す」など、さらに活躍できる場面が広がるでしょう。

研修認定薬剤師の資格を重視してくれる職場を探すには?

研修認定薬剤師に関する採用企業や医療機関側の姿勢は一様ではありません。せっかく研修認定薬剤師を目指すのであれば、資格取得や更新の支援がしっかりしていて、取得後も資格を活かしやすい職場で働きたいものです。
資格を重視してくれる職場がどこかわからない、という方は、ぜひメディウェルのコンサルタントサービスをご利用ください。企業や医療機関の内部情報まで調査した上で、あなたに合った好条件の求人をご提案させていただきます。

<参考資料>
「研修認定薬剤師制度とは」公益財団法人 日本薬剤師研修センター
「調剤報酬はやわかりマニュアル」田辺三菱製薬、2018年4月改定版

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薬プレッソ編集部

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