薬剤師の繁忙期はいつ?8割が「つらい」と回答!?~薬剤師196名への「繁忙期」に関する実態調査結果~ – 薬プレッソ

薬剤師の繁忙期はいつ?8割が「つらい」と回答!?~薬剤師196名への「繁忙期」に関する実態調査結果~

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「繁忙期が忙しすぎて昼休みなのに薬歴を書いていた…」
「トイレに行く暇もなかった」
「薬歴の山を片付けて残業していたら電気を消された…」
風邪、インフルエンザ、花粉症…など忙しい季節はやってきます。繁忙期は冬?春?、残業時間はどのくらい増えるのかなど、皆さんの職場の「繁忙期」について調査をしました!つらかったエピソードでは、思わず「あるある」と共感してしまうかもしれません。

 

回答者の属性

今回は196人の薬剤師の方から回答をいただきました。
ご協力いただきありがとうございます!
回答者の内訳は以下のようになりました。

▽回答者の年齢

▽性別

▽雇用形態

▽勤務先種別

薬剤師の繁忙期はいつ?

今回は繁忙期について調査をするので、まずはどの季節が一番忙しいのか聞いてみました。冬はインフルエンザ、春は花粉症など、応需科目によっても異なるかとは思うのですが、どの季節が一番忙しいのでしょうか。

なんと冬(12~2月)が65%と圧倒的!応需科目でみても総合内科など内科系の科目を中心にどの科目も忙しいようです。調剤薬局勤務、病院勤務の7割の方が回答しています。次に多いのは、「時期に関係なく常に忙しい」と回答された方が23%!企業勤務の方は通年忙しいと回答された方が5割という結果となりました。春(3~5月)はやはり応需科目が耳鼻科の薬局が多く、花粉症との関係性が高そうですね。

では、繁忙期になると残業時間はどのくらいになるのでしょうか。

繁忙期の残業時間は?


下記グラフは過去に薬プレッソ編集部が実施した残業時間のアンケートです。

比較してみると、残業時間10時間未満が減っていますね。30時間以上が6.7%から12.3%に増えており、繁忙期には残業が増えてしまうのが現状のようです。雇用形態別に10時間以上残業している比率をみると、正社員54%、パート23%、派遣25%という結果になりました。雇用形態に関わらず、残業時間が増えていることがわかります。

仕事が忙しい時に、削られてしまう時間は?

残業時間が増えてしまうとどうしてもプライベートの時間が減ってしまいますよね。忙しくなると睡眠時間が短くなったり、家事をするのが休日にまとめてしまったり、日常に変化がでてくるのではないでしょうか。そこで、どんなことをする時間が減ってしまったのか聞いてみました。

「一人でゆっくりする時間」が31%、「家事をする時間」18%という結果に。確かに忙しくなった時に削られてしまうところかもしれません。

逆に忙しくても削りたくないのはどんな時間かを聞いてみました。

結果は、ダントツで「睡眠時間」でした!忙しいと疲れも溜まってきますし、まずは身体を整えるという意味でも睡眠が大事ですよね。次いで、「家族と過ごす時間」、「一人でゆっくりする時間」となりました。家族の笑顔をみているだけで疲れが吹っ飛ぶこともありますよね。

削りたくないけど削られてしまう時間が「一人でゆっくりする時間」というのが見えてきました。最近ゆっくりできていないと感じると忙しさを身に染みて感じそうですね。

「忙しさを感じる瞬間」は人によってさまざまかと思うのですが、どんな時に感じるのでしょうか。

「は~忙しくてしんどいな」と感じる瞬間は?

編集部では「患者さんの人数が増えたとき」「休憩時間が短くなる」「今日も忙しそうだなと思う出勤前」など考えていたのですが、結果はこのようになりました。

「仕事が終わって帰っている最中」と「混雑時の勤務時間中」が各3割ほど。勤務中か勤務後に忙しくてしんどいと感じていました。いつもよりも遅く帰宅し、一日の業務を振り返ると疲れを一気に感じそうです。一方、忙しさを体感はしていませんが、「家事がたまっている様子を見た時」「休憩時間」「寝る直前」などふとした瞬間にしんどいと感じている方もいるようです。

繁忙期の忙しさ「つらい」が8割?


76%の方が「つらい」「まぁまぁつらい」と回答している中、「あまりつらくない」「つらくない」と感じている方が12%、「何も感じない」と回答された方が11%という結果になりました。「つらくない」と回答されている方の繁忙期の残業時間は全員「10~20時間未満」。「つらい」と回答されている方の3割が「20時間以上」残業していました。業務量や体制、人間関係等もどう感じるのかに関係していますが、残業時間との関係も深そうですね。

具体的にどのような点がつらかったのかも聞いてみました。

繁忙期の一番つらかったエピソード

▽業務
・一生懸命仕事をこなしているのに患者から遅いとクレーム(30代女性、正社員、病院)
・薬歴の山を片付けている時、電気を消された時。(40代女性、派遣、OTCと調剤併設)
・繁忙すぎて業務中に薬歴がかけず、昼休みに薬歴を書いてた時期はきつかった。(40代女性、パート、調剤薬局)
・朝から晩まで100m走全力で続けている感じ(40代男性、正社員、調剤薬局)
・トイレに行く時間もなかった(50代女性、パート、調剤薬局)

 

▽人間関係
・ギスギスした雰囲気になり、人間関係が悪くなる。(40代男性、正社員、調剤薬局)
・同僚が忙しいのに、空気読まず休憩を取りに行った。(40代女性、正社員、病院)
・調剤事務がキレる(50代女性、派遣、調剤薬局)
・部下が先に帰って、一人で残業してるとき(30代男性、正社員、調剤薬局)
・上司が手伝わない(30代女性、正社員、病院)

 

▽その他
・夕ご飯が23時になったとき(20代女性、正社員、調剤薬局)
・当選し楽しみにしていた映画のキャストトーク付き試写会に行けなかった(30代女性、正社員、調剤薬局)
・自分もインフルエンザになった。(40代女性、パート、調剤薬局)

皆さんのエピソードにつらかった思いが伝わってきます。タイミングが悪く、一人薬剤師のときに患者さんが集中したり、残業なく帰れそうだったのに帰れなくなったなどのエピソードもありました。体制が整わずにできる人に仕事が集中した、疑義照会ばかり重なった、急なトラブルがあったなど、全部紹介できないのが残念です。中にはこのような意見もありました。

・考えても仕方ないので、一つ一つこなすだけです。(40代男性、正社員、調剤薬局)
・忙しくてもしょうがないと思った時。(40代女性、派遣、調剤薬局)
・暇な方が悪口を言う人などがいるが、忙しいとその暇がなくてかえって気持ち良く働けるかも。(40代女性、パート、調剤薬局)

忙しい中で仕事に集中するのみと悟りを開いている方も!

その一言に救われました~救われたエピソード~

忙しくつらいだけではない、救われたエピソードも聞いてみました!

・患者さんのありがとうの一言。(50代女性、パート、調剤薬局)
・なんだかんだいいながらもみんなで力を合わせているとき。(30代女性、正社員、調剤薬局)
・仕事がたまっているときに先輩が手伝ってくれた。(40代男性、正社員、病院)
・部下が「お疲れ様です。これ飲んで少しでも回復してください。」とジュースをくれた。(30代男性、正社員、企業)
・子供たちからの労いの言葉(30代女性、パート、調剤薬局)

患者さんや同僚、上司からの「ありがとう」の言葉を挙げている方が多くいらっしゃいました。忙しいときだからこそちょっとした気遣いや一言に救われますよね。業務を手伝ってくれた、協力し合えたなどのエピソードも多かったです。また、繁忙期を乗り越えたら休みがある、連休がとれる、ボーナスがもらえる、などの意見もありました。忙しくても明日も頑張ろうと思える瞬間があるから乗り越えられることもたくさんありますよね。

まとめ

今回は薬剤師さんの繁忙期に焦点をあててきました。患者さんが増える時期に忙しくなったり、一人薬剤師のタイミングに患者さんが重なったり、疑義照会や薬歴の記載など、薬剤師特有の忙しさがみえてきました。普段と異なり残業時間が増えていること、体制や待遇等への不満なども明らかになっています。

以前実施した調査「みんなの残業、一斉調査! アンケート結果から見えた、薬剤師の残業の真実とは①【残業時間編】」では、薬局や病院側で全体の約25%は残業を減らす取り組みをしているデータもあるので、体制や効率化などできるところから忙しさが軽減されるとよいですね。今の職場で良くなることは期待できない…という方は、残業なしの職場に転職するのも一つの方法かもしれません。

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薬プレッソ編集部

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薬剤師のみなさんが仕事でもプライベートでも、もっと素敵な毎日を送れるような情報を日々発信しています。

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「プレッソ」にはイタリア語で「すぐそばに」という意味もあります。編集部一同、薬剤師のみなさんと伴走しながら、みなさんの「もっといい人生、ちょっといい毎日」のために「ちょっといいメディア」にしていきたいと思っています。

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