薬剤師137人に聞きました!~あなたの職場は?みんなの人間関係実態調査~

▼目次
回答者の属性
今回は137名の薬剤師の方から回答をいただきました。
ご協力いただいた皆さん、ありがとうございます!
回答者の内訳は以下のようになりました。
▽回答者の年齢
▽性別
▽雇用形態
▽勤務先種別
薬剤師あるある~余裕がないのはこんな時!~
早速ですが、皆さんに質問です。
皆さんが一番『余裕がないなあ』と感じるのはどんな時ですか?
人間関係の悪化のもとは、やはり「日々の余裕」では…?と考えた編集部は、アンケートでも『余裕のなさを感じる時』について聞いてみました。
▽最近仕事が忙くて余裕のなさを感じたことはありますか?また、それはどんな時でしたか?
・薬歴が溜まり、書く時間に追われている時(40代男性/正社員)
・インフルエンザで忙しい時や、急に人が辞めた時(40代女性/パート)
・連休明けで患者様の来るペースが店舗の対応できるペースを上回った時(30代男性/正社員)
▽病院
・忙しくて食事をとれない空腹時(30代女性/正社員)
・患者が時間通りに来てくれない時(50代女性/正社員)
・患者さんの待ち時間が1時間を超えた時(30代女性/正社員)
▽企業
・後輩を気遣うことなくただひたすらに作業している自分に気が付いた時(30代男性/正社員)
・残業がつづく時(30代女性/派遣)
・連休明けに仕事が立て込んでいる時(20代女性/正社員)
勤務先種別ごとに聞いてみたところ、結果はこのようになりました!
薬歴、待っている患者さん、残業等…やはり「時間がない=余裕がない」につながることが多そうですね。特に編集部でも話題となったのが、「空腹時」!お昼に行くタイミングでちょうど仕事を依頼されたり、タスクが多くてお昼をかきこんだ日は、余裕がなく人に優しく出来ない瞬間がありますよね…。”衣食住足りて礼節を知る”といわれるように、自分のことが満足に出来ていない状態は、なかなか周囲を思いやる気持ちは持ちづらいかもしれません。
忙しさは人間関係を良くする?悪くする?
と、いうわけで原因に対する仮説を用意できた編集部からは続けてこんな質問をしてみました!
▽職場の人間関係が、忙しさが原因で悪化してしまったことはありますか?
アンケート結果を見てみると、なんと意外にも半々の結果となりました!
では、「ある」と答えた54.8%の方の意見を見てみましょう。
▽忙しさが原因で人間関係が悪化した(54.8%)
・業務量の差があり、不満があった。(30代女性/パート)
・仕事が遅い人にあたりがキツくなる(30代女性/正社員)
・シフトがうまくくめず、残業がおおくなる(40代男性/パート)
▽病院
・夕方の空腹時、後輩からの問い合わせに対していらいらして答えてしまった(30代女性/正社員)
・残業代が出ないのに学会発表を強要された(30代男性/正社員)
・患者さんの『薬はまだ?』クレームが多発して窓口が混乱(30代女性/正社員)
▽企業
・先輩がホウレンソウを怠ったことでトラブルになり、さすがに注意した(20代女性/正社員)
・暇そうな人がどうでも良いようなことで長々と話しかけてきた(30代男性/正社員)
・正しくないことについて指摘したくなる(50代女性/正社員)
仕事が出来る人に業務が集中してしまったり、一方で暇そうな人がいたり…「不公平感」は人間関係悪化の大きな要因になっていそうですね。
ちなみに、「なし」と答えた人はどのような意見なのかも見てみましょう!
▽忙しさが原因で人間関係は悪化していない(45.2%)
・多忙は個人の問題で、他人を巻き込むことではない(50代女性/正社員/企業)
・忙しくての悪化はない。原因は人間の器の大小だとおもう(30代女性/正社員/企業)
「なし」と回答された方は、それゆえに「人間関係悪化」のエピソードもない方が多いようでした。その中でも特に多かったのが、「悪化の原因は忙しさではなく個人の問題」というもの。既に悟りを開いている方も一定数いるのでは…?というのが編集部の印象でした。それにしても、半分近い方が人間関係に「特に問題なし」という回答だったのは驚きです。「なし」と回答された皆さん、これからも素敵な職場で勤務を続けてくださいね!
これだけはやめて!忙しい時のあれこれ
「人間関係悪化の要因は忙しさだけではない!」ということがわかったものの、それでも忙しい時に多少いらいらしてしまうことはあるはず。そんな気持ちで、「忙しい時にイライラしてしまったことはありますか?」という質問で聞いてみました。
ですよね!!やっぱりイライラしますよね!!と、安堵する編集部(笑)。
途中まで皆さんのアンケートを見ていたら、だんだん自分たちの心が狭いのでは…という危機感をいだいていた編集部は、ちょっと安心しながら皆さんの回答を集計しました!
▽忙しい時にこれだけは辞めてほしいものは?
・急いでやっているのに「速くして」と急かされる(40代男性/正社員/調剤薬局)
・監査で気になることがあって調べているときに急かされた(30代女性/派遣/調剤薬局)
・「その仕事まだ終わってないの?」と言われた(40代女性/派遣/調剤薬局)
▽そんなことより仕事して!!
・忙しいのに、全く急ぎでないものをしているのはやめてほしい(30代男性/派遣/企業)
・忙しい時に限ってトイレに長時間行くこと(50代女性/正社員/調剤薬局)
・急ぎの要件でないのにもかかわらず長電話、現場から離れる(30代女性/正社員/調剤薬局)
▽イライラするのやめて…
・イライラして愚痴ばかり言う上司(40代女性/正社員/企業)
・「誰これやったの」という犯人捜し(40代男性/正社員/調剤薬局)
・キレてゴミ箱を蹴り飛ばした上司は人としてどうかと思った(40代女性/正社員/病院)
ミスがあってはいけない現場で「急かされる」のは非常にプレッシャーですね…。また、忙しい時に限って仕事をしていない人に対するいら立ちも多く見受けられました。
忙しいと周囲の人に対しても気になってしまうし、業務への集中も削がれてしまいますよね。かといって、適度な忙しさは欲しい…バランスって難しいですね…。
特に腹が立ったエピソード~みんなのイライラ総決算!~
では、回答者の怒りのボルテージが少しずつ上がってきたところで、「特に腹が立った!!」というエピソードを聞いてみました。
▽具体的に誰のどのような点に関して、イライラしたのかを教えてください
・在庫を必要以上にしぼって患者さんに迷惑がかかった(30代男性/派遣/企業)
・調剤後再確認をしない上司の調剤ミス(40代男性/正社員/調剤薬局)
・患者が待っているのに意識していない(30代女性/パート/調剤薬局)
▽仕事の仕方
・あとで出来る事を忙しい時にあえてしている人(30代男性/正社員/調剤薬局)
・後の人のことを考えず、散らかし放題で調剤する人(50代男性/派遣/調剤薬局)
・お客様対応より上司の都合を優先させたこと(50代男性/正社員/調剤薬局)
特に多かった「もっと患者さんのことを考えてほしい」という声に、感動する編集部一同。皆さんの薬剤師としての矜持を感じる怒りポイントだなあとあらためて感じました。やはり、処方箋1枚とっても誰かの命がかかっているものですよね。
また、「仕事の仕方」についても言及されている方が多くいました。こちらでも皆さんがどれだけ患者さんを大切にしているのかを感じることが出来る回答ばかり。『1人でも多く対応したいのに、業務効率が悪い人がいるといらいらする』や、『患者さんの都合を優先すべき』といった声を聴くと、患者として薬局に行くことの多い編集部も安心してしまいました。このアンケート結果、患者さんにも見てもらいたいです。
今あるストレスを吐き出すとしたら?
患者さんのこと、職場のこと、処方箋のこと———さまざまなものに対して悩みの多い薬剤師の皆さん。そんな皆さんの今あるストレス、この際吐き出してもらっちゃいましょう!
・休みたい時に休ませろ!!(40代男性/正社員/調剤薬局)
・薬機法違反で行政に言うぞ(50代男性/正社員/企業)
・社会常識を身につけてからきてくれ(30代女性/正社員/調剤薬局)
・何でも人のせいにするな(40代女性/正社員/病院)
・大人になれ!!(20代男性/正社員/調剤薬局)
・まず、患者第一でしょ?(30代女性/派遣/調剤薬局)
ここでも感じる、患者さんへの愛!(涙)
そして休みたい、穏やかな気持ちで仕事をしたいという切実な訴え…!!
実は昨年のアンケート(~2018年を振り返って~薬剤師ゆく年くる年アンケート結果)でも『一昨年より去年の方が忙しかった!』と回答される方が多くいらっしゃったので、疲労を癒したい方も多くいる様子…。2019年は、少しでも薬剤師さんにとって働きやすい1年になるよう、編集部一同祈らずにはいられません。
みんなが通る道?一度は考えた退職
最後にこんなことも聞いてみました。
▽忙しさのあまり仕事を辞めたいと思ったことがありますか?
・薬剤師自体にやり甲斐を感じないから、常に辞めたいと思っている(40代男性/正社員/調剤薬局)
・忙しいのは良いとして、上司の配慮ない発言が重なるとやめたくなる(40代女性/正社員/企業)
・週の半分家に帰るのが22時とかで実際に辞めた(30代女性/派遣/調剤薬局)
▽辞めたいと思ったことはない
・辞めたくなるほど忙しくはない(20代女性/正社員/企業)
・ないが忙しい方がやりがいはあるので思ったことはない、休みたい時はある(40代女性/正社員/企業)
・忙しい方がやりがいはあるので思ったことはない(30代女性/正社員/調剤薬局)
約半数が「実は考えたことがある」と回答するも、4割近い回答者は「特にない」と回答。辞めたいと感じる時って理由が1つなのではなく、複数が重なってしまった時に起こるのかもしれません。忙しくてもそれ以外が上手くいっているのならOK!という方も、多くいらっしゃる様子でした。
まとめ
今回の「人間関係アンケート」、いかがだったでしょうか?
回答を通して感じたことの一つとして、「患者さんを想う気持ちの強さ」でした。こんなに「患者さんのために」という気持ちが強いことを、まさか人間関係アンケートの中で浮き彫りになるとは思いもよらず、編集部一同驚きを隠せませんでした。
皆さんが日々疑義照会をしたり、調剤したり、患者さんのために尽力されていることで、今日も誰かの命が救われています。少し大げさかもしれませんが、そんなことを感じられたアンケートでした。
毎回アンケートでは薬剤師の皆さんの新しい一面が垣間見えます。次回アンケートもお楽しみに!