131人の薬剤師に聞く!この職を選んでよかったと感じる瞬間は? – 薬プレッソ

数字で見る薬剤師のお金のリアル

131人の薬剤師に聞く!この職を選んでよかったと感じる瞬間は?

LINE
あなたは、どんな時に「薬剤師」という職業を選んでよかった、と思いますか?

『薬プレッソ』編集部では、「薬剤師という仕事」のどこに魅力を感じているのか、現役薬剤師131名にアンケートを実施しました。薬剤師の皆さんは、どんな時に「薬剤師」になってよかったと感じているのでしょう。その答えは……。

「感謝された」が約半数。「就職に有利」「給与が高い」など現実的な意見も

1位は「患者から感謝された」という結果に。人の健康に直接関わる職業ならではの回答ですね。こちらは48.9%と半数近くを占めています。
2位以下は「就職に有利」、「医師に意見を言えた」、「患者の回復につながったと実感できた」、「給料が高い」、「よかったと思うことはない」、「地域貢献できた」、「その他」となっています。

それぞれの詳しい回答を見ていきましょう。

1位「患者から感謝された」 48.9%

・薬の飲み方のことで困っていた患者さんに感謝された(30代女性)

・あなたがいるからここに来ると言われたり、感謝された(50代男性)

・患者さんに感謝される時。名前を覚えてもらって、入院中や外来に来た時にわざわざ薬局に来てくれてお話してくれること(40代女性)

・患者さんの話をうまく聞き出せ、的確なアドバイスをし喜ばれた(60代女性)

・ドラッグストアでおすすめした薬で症状がよくなり後日わざわざお礼に来てくれた(30代女性)

・患者が軽快退院したときに「有り難うございました」と声を掛けられた(50代男性)

医師や看護師など、医療従事者の方と話をしていると、「患者さんを助けたい」「患者さんから感謝された時に一番の喜びを感じる」という声をよく聞きます。薬剤師さんも同様に、患者さんの役に立てることに喜びを感じる人が多いようです。

2位「就職に有利」 17.6%

・主人の転勤で引っ越しても、すぐに就職先が見つかるのでよかったと思う(40代女性)

・楽だし、嫌になったら辞めても仕事があるから(40代男性)

・転職が簡単に出来るので、自分の納得した仕事を選ぶことができる(40代女性)

・出産後の再就職がしやすかった(50代女性)

・様々な働き方があり、いつでも転職ができる(40代男性)

・夫が転勤になったとき、引っ越し先で仕事をみつけやすい(30代女性)

女性からは、結婚後も働きやすい、子どもができてからも働きやすい、といった将来を視野に入れた回答が、また男性からは、他の職に比べて転職しやすいといったメリットを挙げる回答が多くありました。

実際に厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、平均の有効求人倍率が1.2倍に対して薬剤師(医師・歯科医師・獣医師を含む)は6.15倍。抜群の職の安定性を誇ります。「薬剤師を『目指すきっかけ』はかなり現実的? ~現役薬剤師アンケート結果」の記事でも、第3位に「職が安定している」(10.7%)がランクインするなど、堅実志向の薬剤師さんらしさ溢れるアンケート結果となりました。

3位「医師に意見を言えた」 7.6%

・一緒に飲んではいけない薬を見つけて、医師に依頼して処方変更したことが何度もある。また、飲む必要のない薬を出されていることを見つけて不必要な薬の服用を止めることもある。こんな時にこの職業の魅力を感じ、選んでよかったと思う(50代男性)

・18歳に処方されたベタニスをDrを怒らせても疑義して、患児の母にも忠告でき、感謝されたとき(30代女性)

・医師から処方薬の相談を受け処方に反映されたとき(70代男性)

・余分な薬の処方について提起して減薬されたとき(40代女性)

薬剤師の重要な役割の一つが、疑義照会です。

「薬剤師法」24条(処方せん中の疑義)では、「薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない。」との記載があります。

薬の専門家として、最後の砦となり患者を守る。その役割を果たせた時に、「薬剤師になってよかった」と実感したり、薬の専門家としての誇りを感じたりしていらっしゃることがわかります。

4位「患者の回復につながったと実感できた」 6.9%

・自分がアドバイスした医薬品により患者の疾患の改善がみられたとき(50代男性)

・症状が一向に改善されずあっちこっち病院をハシゴして困っている患者さんに何かおかしいと様々な症状からもしかしたらと勧めた科で原因が分かり症状が改善した(40代女性)

・処方薬の効果があって、患者の笑顔が見られた時(50代男性)

・相談を受けた患者さんが元気になって笑顔が見られた時(40代女性)

薬の専門家らしい答えが、第3位に続きランクイン。処方した薬が患者さんに適切な効果を現したとき、「薬剤師として役に立てた」という大きな喜びを感じていらっしゃることがわかりました。直接お礼を言われることも嬉しいですが、たとえ直接感謝の言葉をもらわなくても、次回お会いした時に元気な表情を浮かべていたり笑顔が見られることは、薬剤師の方にとって大きな活力になりますね。

5位「給料が高い」 4.6%

・他の仕事より時給が高いので生活に困らない(30代女性)

・高い給料が貰えるとき。残業代が出るとき。(20代女性)

・そんなに働かなくても稼げるし、求人もかなりいっぱいある(30代女性)

・ 給料が女性でもある程度もらえる(30代女性)

若い女性を中心に、給料の高さを薬剤師のメリットとして挙げている方が多かったのも特徴的でした。
実際、厚生労働省が発表した平成27年実施の「医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」(全体版 p268)によると、調剤薬局(保険薬局)で働く薬剤師の平均給与は4,184,277円。これに賞与を加えると4,731,002円です。さらに管理薬剤師では平均給与は7,049,232円、賞与を加えると7,733,306円になります。
一方、民間企業の社員(パート含む)の平均所得額は約420万円(国税庁「平成27年分民間給与実態統計調査」より)。薬剤師の給与は他の職と比べても高いことが分かります。また、平成28年職種別民間給与実態調査を確認すると、薬剤師の24~28歳の平均支給額は304,877円と、比較的早い時期から高い給与がもらえるのも、薬剤師という職業の特徴の一つと言えるでしょう(年代別や勤務施設別の年収の詳細が知りたい方は、ぜひ「数字で見る薬剤師のお金のリアル 第1回:年収と世帯年収編」もご覧ください)。

6位:よかったと思うことはない(3.1%)

中には、薬剤師をやっていてもよかったと思うことがないという方もいます。そんな方々の回答を見てみましょう。

・思っていた仕事と違い、特に薬剤師になってよかったことはない(30代男性)

・自身で感じるほど、特に魅力を感じる職業ではない。世間で言われるほどの高給取りではなく、頭打ちされてしまうので、男性のなる職業ではない(40代男性)

・薬剤師を魅力的な仕事と思っていない。あくまで、医師の方が権限がある(60代女性)

薬剤師になる前に思っていたイメージと、実際働いてみてからとでギャップがあると感じている方が多いようです。

7位:地域貢献できた(2.3%)

・人の役に立ち、地域に貢献できる(60代男性)

・普段の業務や講演など地域に貢献できていると感じる(30代男性)

今、国が推し進めている「かかりつけ薬局」や「かかりつけ薬剤師」が担う役割がまさにこれ。薬剤師さんの中に、地域貢献できることにやりがいを感じている方がいらっしゃるのは心強い限りです。

2025年に向けて動きだしている地域包括ケアシステムの担い手の一つとして、「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」が増えるに従い、薬剤師の仕事の魅力に「地域貢献」を挙げる薬剤師さんも増えていくかもしれませんね。

こんな意見も…少数意見を紹介

ここまで、アンケートのランキングごとに詳細回答を見てきましたが、少数意見も紹介いたします。

・まわりの家族のお薬相談にものってあげられる(30代女性)
確かにご近所の方や親戚に薬剤師がいれば、「この薬って……」「こんな症状出ているんだけど……」と相談したくなりますね。

・病気になったときにすぐ薬が手に入る(20代女性)
これは薬剤師ならではでしょう。自身の勤め先で購入することができるというのは一般の方からしたら羨ましいと思うかもしれません。

改めてアンケート結果を振り返ると、「患者さんから感謝された」(48.9%)という回答の多さが印象的です。また「医師に意見を言えた」「患者の回復につながったと実感できた」といった薬の専門家ならではの意見が14.5%を占めたことも、「薬剤師という仕事」の魅力を知る上で見逃せません。
一方で、「就職に有利」「給与が高い」という回答の多さも特徴的でした。仕事を選ぶ際に重視される「給与」「安定性」が実現できるという点も、薬剤師という仕事の魅力の一つのようです。
最後に、注目すべきは「地域貢献できた」という回答が第7位にランクインしたこと。「地域医療」が重要視され、「かかりつけ薬剤師」が求められる「今」という時代を感じます。

あなたは、仕事をしていてどんなときに「薬剤師という職業を選んでよかった」と思いますか?

(文・「薬プレッソ」編集部)
LINE

この記事を書いた人

薬プレッソ編集部

薬プレッソ編集部

薬剤師のみなさんが仕事でもプライベートでも、もっと素敵な毎日を送れるような情報を日々発信しています。

「薬プレッソ」の「プレッソ」はコーヒーの「エスプレッソ」に由来します。エスプレッソの「あなただけに」と「抽出された」という意味を込め、薬剤師の方に厳選された特別な情報をお届けします。

「プレッソ」にはイタリア語で「すぐそばに」という意味もあります。編集部一同、薬剤師のみなさんと伴走しながら、みなさんの「もっといい人生、ちょっといい毎日」のために「ちょっといいメディア」にしていきたいと思っています。

あなたにおすすめの記事

転職事例