~2018年を振り返って~薬剤師ゆく年くる年アンケート結果

<目次>
- 1.回答者の属性
- 2.昨年に引き続き8割以上が「仕事は充実していた」
- 3.診療報酬改定も影響?忙しさは昨対+6%UP
- 4.忙しさとストレスは比例する?今年のみんなのストレス
- 5.買い物?惰眠?みんなのストレス発散方法とは
- 6.人間関係は調剤薬局が一番「良好」?
- 7.やっぱり多い!上手くいかないのは「上司・先輩」
- 8.企業勤務は不満が少ない?職場への不満を調査
- 9.2018年版「職場で言われて嬉しかったこと」
- 10.2018年版「職場でむなしさを感じた瞬間」
- 11.今年仕事でやりたかったけど出来なかったこと
- 12.1年を振り返って、自分の仕事の点数は何点?
- 13.仕事に限らず、2018年は総合的にどんな1年だった?
- 14.まとめ
回答者の属性
今回はなんと250名の皆様に回答いただきました!
ご協力いただきました皆様、年末のお忙しいところ本当にありがとうございます!
回答者の内訳は以下のようになっています。
▼年齢・性別
▼雇用形態
▼勤務先種別
最も多い回答者層は、30代女性・調剤薬局勤務・正社員となっていますが、昨年に引き続き様々な方から回答をいただきました。1名でも多く回答いただけると編集部一同全力で喜びますので、ぜひ皆様ご協力のほどよろしくお願い致します!
昨年に引き続き8割以上が「仕事は充実していた」
ではさっそく、アンケートの回答内容を見ていきましょう。
まずは「2018年の仕事の充実感」からです。
▼仕事の充実度(全体)
▼仕事の充実度(調剤薬局)
▼仕事の充実度(病院)
昨年同様に「全体」、「調剤薬局」、「病院」の比較をしてみました。
2017年も「充実していた」、「まあまあ充実していた」が8割以上だったのですが、今年回答数が100名近く増えたにも関わらず、8割以上が「充実」と回答しているこの事実に、編集部は安堵と羨望でいっぱいになりました。
ちなみに今年から「企業」も比較してみたところ…
▼仕事の充実度(企業)
「充実していなかった」の回答者が0という結果に…!
もちろん回答者の中で企業にお勤めの方は少数ですが…それにしても「0」というのはすごいですね!平成最後のアンケート、出だしが非常に順調です!
診療報酬改定も影響?忙しさは昨対+6%UP
続いて仕事の忙しさも聞いてみました。
今年は診療報酬の改定もあった年でしたが、みなさんいかがでしたでしょうか…?
▼仕事の忙しさ(全体)
▼仕事の忙しさ(勤務先別)
全体で比較してみると、「非常に忙しかった」が昨年と比べて6%も増えました…!
これって診療報酬改定の影響でしょうか…!どうなんでしょうか…!
「非常に忙しかった」、「それなりに忙しかった」の2つの割合が多かった順に並べてみると、
2位 病院…80.5%
3位 企業…72.1%
上記のようになりました!
ちなみに昨年のアンケート記事で見ると、調剤薬局が81%、病院78%だったので、どちらも若干忙しさがUPしているようですね…!
皆様、2018年本当にお疲れ様でした!
忙しさとストレスは比例する?今年のみんなのストレス
続いては職場でのストレスについて聞いてみました。
働く上でのストレスって、辛いですよね…。ただでさえ仕事をこなさないといけないのに+αで負荷がかかっていたらもう泣いてしまいたくなります。
▼職場のストレス(全体)
全体で見てみると、上記のような結果になりました。
実は昨年と比較してみると、若干変化有りなのは「あまりなかった」と「まあまああった」の割合です。「あまりなかった」という回答が昨年27%→今年24%、「まあまああった」は昨年45%→47.6%と、昨年「あまりなかった」と回答していた方が「まあまああった」に移行しているような結果になりました!
仕事の忙しさと職場のストレスが両者ともに悪化しているので、この2つは比例関係にありそうですね。忙しいと、些細なことでも気になったりストレスになってしまう…というのは編集部でも共感の嵐でした。
▼職場のストレス(勤務先別)
調剤薬局、病院、企業のそれぞれの結果は上記になります。
ちなみに勤務先種別で「まあまああった」、「頻繁にあった」を合算し順位を出してみると…
2位 調剤薬局…73.4%
3位 企業…72.1%
昨年に引き続き、病院が1位という結果に!
様々な医療従事者と関わる病院勤務。もしかするとこうした仕事上の人間関係の多さもストレスに関係しているのかもしれませんね。
買い物?惰眠?みんなのストレス発散方法とは
では、そんなストレスを皆さんはどうやって発散しているのでしょうか?
複数回答で思いつくもの全て回答いただきました!
1位・2位は昨年と同じく「美味しいものを食べる、美味しいお酒を飲む」、「とにかくたくさん寝る」がランクイン!
やはり美味しいもの&寝るは大切ですね!年末年始は美味しいものをたくさん食べて飲んで、たくさん寝て、心身共にリセットしてくださいね。
そして昨年5位だった「買い物」が3位に浮上!もしや皆さん、去年より忙しい→お金を使うタイミングが減る→買い物でストレス発散!!みたいになったのでは…?と、編集部では考察しました。
また、同票で9位に「家族」、「転職した」の回答も。
特に「転職した」は、ストレス負荷に対する改善策が勤務先で見つからなかったということでしょうか…。新天地では快適な環境で仕事が出来ますよう、願うばかりです!
人間関係は調剤薬局が一番「良好」?
では、職場の人間関係はいかがだったでしょうか?
所属部署、年齢、役職など、立場が違えばぶつかることもありますよね。
全体のアンケート結果はこちらになります。
▼職場の人間関係(全体)
こちらも昨年に引き続き、8割以上が「良好」、「まあまあ良好」と回答しました!
全体的に皆さん人間関係が良好そうで何よりです!
気になる勤務先別はというと…?
▼職場の人間関係(勤務先別)
「良好」、「まあまあ良好」の回答割合を比較すると、下記のような順位になりました!
2位 病院…83.4.%
3位 企業…76.8%
意外にも、企業が3位という結果に。
ストレスや仕事の忙しさは病院、調剤薬局が勝っていながら、人間関係はあまり上手くいっていなかった模様…?
忙しさで1位だった調剤薬局は人間関係良好第1位となりました!忙しくても周囲の人と良好な関係を築けていれば仕事はずっとやりやすいですよね!
やっぱり多い!上手くいかないのは「上司・先輩」
では、先ほど回答いただいた「みんなの上手くいかなかった相手」は誰なのでしょうか…?
▼人間関係でうまくいかなかった相手(全体)
こちらも昨年同様、ダントツで多かったのは「上司・先輩」でした…!!
しかも昨年33%だったのですが、今年は34.5%と若干増えている…!(汗)
立場の違いが見解の相違になり、不満につながりやすいのかもしれませんね。
▼人間関係でうまくいかなかった相手(調剤薬局)
▼人間関係でうまくいかなかった相手(病院)
▼人間関係でうまくいかなかった相手(企業)
勤務先別で見てみると、企業、圧倒的でした…50%が「上司・先輩」…!!
『こ、これが要因で企業の人間関係が3位だったんだ…!』と震撼した編集部一同。
しかしよく考えてみると、病院など関わる人が多い職場は「上手くいかない」と感じる人間関係も若干分散されて1つに固まらないのかもしれないですね。
2019年は企業の皆さんが上司・先輩の方々と上手くいくことを祈るばかりです…!
企業勤務は不満が少ない?職場への不満を調査
ストレスの要因は人間関係だけではありません。
現在の職場に対して、少なからず不満はあるものです。
こちらも昨年に引き続き、「職場に不満を感じる瞬間」について聞いてみました。
▼職場への不満(全体)
職場への不満は昨年73%→今年71.2%と若干改善傾向のようです!
働き改革が様々な業種で話題にあがっているので、不満の要素となるようなものが少しずつ改善傾向にあるのも要因の1つかもしれませんね。
▼職場への不満(勤務先別)
勤務先ごとに「頻繁にあった」、「たまにあった」を合わせると下記のようになりました。
2位 調剤薬局…70.1%
3位 企業…64.3%
病院がダントツ…!ただ、昨年も83%だったので、ほぼ変わらずに推移している傾向です。調剤薬局は昨年73%だったところが若干の改善となりました。一方、過半数は超えているものの、他と比べると企業の職場への不満は少ない傾向にありそうですね。企業ではフレックスタイムや土日休みなど、調剤薬局や病院でなかなか難しい就業スタイルを導入している職場もあるため、そうした制度の充実が多少反映されているのかもしれません。
2018年版「職場で言われて嬉しかったこと」
2018年、「言われて嬉しかった言葉」も聞いてみました!
こんなこと言われたらモチベーションも上がって、さらに仕事が頑張れそうですね!
勤務先別に自由回答でいただいたコメントをご紹介致します。
・「あなたと働いてたら楽しい」———同僚より(30代女性/派遣)
・「あなたがいなかったら、薬局を変える」———患者より(40代女性/正社員)
・遅くまで残業している時に「いつも遅くまでありがとう」———上司より(40代男性/正社員/上司より)
・「アンタらと話しするだけで元気になる」———患者より(30代女性/正社員)
・「あなたが居てくれて良かった」———患者より(40代女性/パート)
・「先生みたいに気遣ってくれる人がいてよかった」———後輩より(40代女性/正社員)
・疑義をした際に「気づいてくれてありがとう」———医師より(30代女性/パート)
・「英語が話される薬剤師で大変助かり安心した」———外国人患者より(50代男性/正社員)
・「あなたと仕事を組む時が一番気楽だ」———同僚より(30代女性/パート)
・人の仕事を手伝ったときに「気が利くね」———同僚より(40代女性/派遣)
・「あなたがいるだけで、安心なんです」———同僚より(50代女性/正社員)
・「尊敬している」———同僚より(30代男性/正社員)
・「アドバイスが参考になった」———同僚より(30代男性/正社員)
2018年版「職場でむなしさを感じた瞬間」
つづいては職場でむなしさを感じた瞬間です。
回答の一覧を見ながら、編集部も「辛い…!」と思わず声が出る案件も。
皆さんも共感で出来る内容があるかもしれません。
自由回答でいただいたコメント、こちらも一部ご紹介させていただきます!
・現場の状況と経営陣の認識に乖離が激しい(40代女性/正社員)
・「(薬は)要らないから捨てている」と患者に言われた(30代女性/正社員)
・疑義照会を「薬局のせいで遅い」と思われ、病院のミスや患者のためにしているのに理解してもらえない(30代男性/正社員)
・上司から心無い一言を言われた(40代女性/正社員)
・上司の勘違いで怒られた(30代男性/正社員)
・医師が薬剤師の意見を無視して採用品を決めた(30代女性/正社員)
・患者さんの拒薬が続いている(40代女性/パート)
・看護師から、同等以下の立場として扱われた(40代女性/正社員)
・人手不足のため「時短勤務は考えて申請してください」と言われた(30代女性/正社員)
・教えたことを覚えておらず、何度も同じことを説明させられる(50代女性/正社員)
・時短のため昇進できない(30代女性/正社員)
・先輩の機嫌をすごく伺って意見を合わせている人を見た(30代女性/正社員)
今年仕事でやりたかったけど出来なかったこと
さて、毎年年末になると「あれやりたかったのに…!」という後悔を感じることもありますよね。そんな「やり残してしまったもの」もアンケートで聞いてみました!
・認定薬剤師の資格を取ること(40代女性/パート)
・職場を変えること(40代女性/派遣)
・薬局長になること(20代男性/正社員)
・フルタイムに復帰(30代女性/パート)
・病棟業務(30男性/正社員)
・薬棚の配置換え(40代女性/正社員)
・デッドストックとなった薬剤を適切に処分できなかったこと(50代女性/正社員)
・感染対策症例ラウンド(30代女性/正社員)
・マニュアル作成(40代女性/正社員)
・自己啓発のための勉強(50代女性/正社員)
・新薬の販売に関わる(30代女性/正社員)
・新規事業の立ち上げ(30代男性/正社員)
マニュアル作成や薬棚の配置換えなど、ついつい後回しにしがちな業務を上げる方も多く見受けられました。「いつかやろう」と思っていても、緊急性がないものって後回しにしがちですよね…。
中には「フルタイムに復帰」や「職場を変えること」、「薬局長になること」といった、働き方に関する願望もちらほら。また、資格取得や自己啓発への熱意も回答が多く見られました。今年やり残してしまったものは、ぜひ来年で叶えていきましょう!
1年を振り返って、自分の仕事の点数は何点?
2018年を振り返っていただき、自己採点していただきました!
昨年の結果では、「70点」という回答が最も多かったのですが、今年は「80点」という回答が最多となりました。仕事の忙しさはあったものの、やりがいを感じられた人も多かったのかもしれません。
仕事に限らず、2018年は総合的にどんな1年だった?
最後に、仕事以外も含めて1年を総合的に振り返っていただきました!
▼全体
全体では77.7%の方が「良い一年だった」、「まあまあ良い一年だった」という回答でした!ちなみに昨年は85%だったので、昨年と比較すると若干充実度が下がってしまいました。「あまり良くない一年だった」という回答は、さくねん12%→17.5%と増加しています。また、特に今年は”平成最後の一年”ということで、やり残したことや後悔などが印象に残りやすい一年間だったのかもしれません。
▼調剤薬局
▼病院
▼企業
勤務先別で「良い一年だった」、「まあまあ良い一年だった」を合わせてみると下記のようになりました。
2位 調剤薬局…77.9%
3位 企業…73.9%
病院は昨年78%→今年80.5%と、昨年に引き続き8割の回答者が概ね満足した一年間だったようです!
一方で調剤薬局は、昨年84%→77.9%と6%ほど悪化。企業は42.9%というか半数近い回答者が「良い一年だった」と回答するも、「悪い一年だった」という回答も他勤務先と比べて多く、3位という結果になりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
アンケート結果と比べ、「私は結構良い一年だったなあ」と思う人も、「あまり良い一年じゃなかったなあ」と思う人もいらっしゃると思います。
「平成最後の」とつくだけで、『何かしなければ!』という焦りがあったり、診療報酬の改定があったり、2018年は盛りだくさんな一年でしたね。
薬プレッソ編集部では、今後も皆さんが過去を振り返ったり、未来を思案したりするのに役立つ情報を発信していければと考えております。
2019年も引き続き何卒よろしくお願い致します。