数字で見る薬剤師のお金のリアル 第4回:貯金のきっかけと現在の目的は?


貯金のきっかけは「将来のため」
「貯金を始めたきっかけ」についての回答を見ていくと、若い世代は「なんとなく」貯金を始めているケースが多いようです。「自然に貯まる・余ったお金を貯金しているだけ」という回答も。
一方、40代以降になると、「将来のため」に貯金を始めた薬剤師さんが多いことがわかります。ただし、同じ将来といっても「子供のため」「結婚資金」「いざという時のため」など、理由はさまざまです。中でも「老後のため」と答える人の多さが目につきます。
貯金の目的が「老後のため」と答えたのは約半数!
「現在の主な貯金の目的は」という質問への回答でも目を引いたのは、「老後のため」と答えた人の多さです。なんと全体の48.5%。約半数近くの方が「老後のため」に貯金をされていることがわかります。
年代別にみていくと、30代以下では「老後のため」と答えた方は33.3%(とはいえ、回答数の割合では第1位!)。40代では50%、50代では60.9%の方が「老後のため」と回答されています。40代、50代は具体的に老後の計画を考え始める年代ですから、この結果は妥当だといえるかも知れません。ただし、60歳以上になると「老後のため」の割合が減り25.0%に。1位は「特になし/なんとなく」の50.0%で、第2位は「老後のため」(25.0%)と「子供のため」(25.0%)、「趣味/旅行/遊興費」(25.0%)、「病気への備え」(25.0%)が同率で並びます。漠然とした「老後の不安」が、病気や怪我、余生の生活設計へと形を変えていることが、貯金の目的からも見て取れます。
以上のことより、多くの薬剤師さんが老後に不安を抱いていることがわかります。なお、「年金が受け取れない時のために」「この先何が起こるかわからないから」といった具体的な回答もありました。
「住宅購入のため」は、かなりの少数派
アンケート結果の「現在の主な貯金目的は」への回答について、年代別に見ていきましょう。
「現在の貯金の目的は?」となると、やはり「将来への不安解消」と回答する方が目立ちます。先ほども触れましたが、39歳以下の若い世代の方でも、貯金の目的は「老後のため」が第1位(33.3%)という結果に。第2位の「将来のため」(26.7%)と比べても6.6%の開きがありました。
一般に20~40代前半の貯金目的といえば、「結婚資金」「住宅購入」「クルマの購入」「子供の教育費」が大半を占めるイメージがありますが、今回のアンケート結果を見ると少数派。「住宅購入」の6.7%、「高額商品の購入(車・家電話)」と「子供のため」はともに0%と、一般のイメージを覆す結果となりました。
薬剤師さんはやっぱり「堅実」!?
前回、支出の内訳を紹介する「数字で見る薬剤師のお金のリアル 第3回:みんな毎月いくらくらいお金を使ってるの?」では、支出の第1位が「貯金」というアンケート結果をご紹介しました。そして今回、その貯金の目的の半数が「老後のため」ということが新たに見えてきました。
ちなみに、薬剤師を目指したきっかけを尋ねたアンケート記事「薬剤師を『目指すきっかけ』はかなり現実的? ~現役薬剤師アンケート結果」でも、目指したきっかけの第3位は「職が安定している」でした。
あらためて、薬剤師さんの、お金を含めた「人生設計」への堅実さが浮き彫りとなるアンケート結果になりました。
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